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図6 InSARのまとめ

 

(2)ポラリメトリックSAR

従来のSARでは水平または垂直偏波のみを使用して地表からの反射波の振幅を画像化している。このようなSARシステムでは反射波の位相情報は無視される。単純に、垂直偏波と水平偏波それぞれ送信受信の画像を複数組み合わせることでも情報量を増やすことができる。さらに垂直と水平の偏波で送受信し取得したSARデータを組み合わせ、位相成分を処理することにより、あらゆる偏波に対する後方散乱特性を合成することができる。このように、ポラリメトリックSARはターゲットの物質情報を従来のSARデータよりもはるかに多く得ることができる。

実際には垂直偏波と、水平偏波の2つの直行したアンテナからSAR送信信号を交互に出し、地表面で反射された信号を2つの受信アンテナで同時に受信する。このようにして送受信の偏波の組み合わせをHH,HV,VH,VVの4種類の振幅と位相データを得る。これより地表の偏波特性を計算することができる。

実際の航空機SARでポラリメトリー画像が得られているが、今まで得られなかったような多くの情報が得られており、期待されている。

図7に航空機搭載SARで取得したポラリメトリックSARの画像を示す。同じような畑でも植生の違いを明確に読みとることができる。

2002年夏に打ち上げが予定されているALOSにはポラリメトリックSARの搭載が予定されており、新しい情報に大いに期待されている。

 

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E.L.Christensen et al. EMISAR Absolutely calibrated Polarimetric Land

C bank SAR, IEEE Trans. GRS Vol 36, and PP. 1861 Nov. 1998

図7 ポラリメトリックSAR画像

 

 

 

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