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最新のSAR技術動向

能美 仁

 

最近注目されているSAR技術に、ポラリメトリックSARとインターフェロメトリックSAR(InSAR)がある。まず、簡単にこれらの技術を紹介し、次にこれらを海城情報解析に応用した例を検討した。

 

1. 新しいSAR技術

(1)インターフェロメトリックSAR(InSAR)

従来のSARとInSARの違いを図1に示す。従来のSARは地表面の物体で反射された信号の強度を、画像の輝度として表示している。それに対しInsARは2回観測したSARデータ、または2つのSARシステムで得られた2組のSARデータから、信号の位相情報を使用し、SARアンテナからターゲットまでの距離差を画像化している。

InSARは2つのSARデータを1回で撮るか、2回で撮るかによりシングルパスInSARとリピートパスInsARに分けられる。シングルパスInSARは図2に示すように航空機等にSARアンテナを2組搭載し、1回の移動で2組のSARデータを取得する方法である。この方式では2組のSARアンテナからターゲットまでの距離差が位相差として画像化される。それに対し、従来の人工衛星のように1つのSARアンテナしか搭載していないものでは、2組のSARデータを取得するためには、図3に示すように、ほぼ同じ軌道を2回飛行する必要がある。この方式をリピートパスInSARという。

 

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図1 従来SARとInSAR

 

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図2 シングルパスInSAR

 

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図3 リピートパスInSAR

 

また、データ取得時に2組のSARアンテナがどのような位置関係にあるかによりアロングトラックInSARとアクロストラックInSARに分けることができる。

アクロストラックInSARは図4に示すように、進行方向と垂直方向に2組のアンテナをわずかにずらしデータを取得する。

 

 

 

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