日本財団 図書館


短所としては、画像上に現れたパターンの解釈が難しい点が挙げられる。これは様々な海洋現象(うねり、内部波、海流、風波、湧昇)が相互に関係しながら最終的に表面波に影響を与えているために、目的とする現象に伴う信号のみを取り出すことが困難であることによる。

また、海洋現象は一般に再現性がないためシートゥルースを得るためには画像取得と現地調査が同期している必要がある。しかし、陸上での観測に比べ海洋観測は観測手段、天候、観測拠点からの移動など制約が多いため画像の解釈に必要な現地データを得ることは容易ではない。

 

3.1.2 流氷解析

(1)研究の成果

流氷に関する成果を表13にとりまとめた。

 

表13 流氷に関する調査結果

078-1.gif

 

RADARSAT/SAR画像では、海面部分であっても風波の影響によりかなり高輝度に観測されることがあった。特に細かい流氷が分布する領域や海面と流氷が入り組んでいるケースでは高輝度な海面が流氷の判読に障害となった。この傾向はJERS-1/SARでは比較的小さかった。

異なる衛星が同一地点を同時に撮影できることはまれであるが、今回ほぼ同時に撮影されたSAR画像(JERS-1)と可視画像(SPOT)が得られた。両者の分布は全体的には一致しており、判読性は可視画像の方が良いものの、雲がある場合の手段としてSARが有効であることが示された。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION