オーストラリアにおける視察、意見交換の総括
オーストラリアの専門家の対中認識は日本とニュアンスが異なるものであった。これが今回の視察における最も重要な確認点であった。
今回の一連の会議は、最初に海洋研究のメッカであるベイトマン氏、続いてキャンベラで外務省、国防総省の官僚、さらにANUで学者、そしてオコーナー氏のところで専門家なさまざまな方々と行うことができた。
こうした会議は「年に1回4年間継続して行う」よりも、「1年間に4回」のペースで集中的に行ったほうがはるかに効果的である。毎年1回の年次会合を長期に渡って行うより、短期間に頻度の高い会合を行ったほうが、本音の議論を行うに十分な「信頼」が早期に訪れるからである。ここに信頼醸成成功の秘訣がある。6
今回われわれが行った日豪対話は、おそらく日豪間で初めてのセカンドトラック成功事例であろう(オーストラリア側から表明された感想)。日本から、専門知識を持ち、英語でディベートできるチームが遠征することは、オーストラリアではまれのようである。民間シンクタンクがセカンド・トラック分野で貢献できる分野は大きい。これは今回の視察団の収穫であった。以上
6最近の日韓のセカンド・トラック安全保障対話(KJ Shuttle)などにより証明されている。