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I 平成10年度事業の概要

 

平成11年3月12日

事務局

 

1. 全般経過概要

 

本プロジェクトは平成10年度日本財団助成の「公海の自由航行に関する普及啓蒙」事業(主催団体:国際経済政策調査会、協力団体:岡崎研究所)であり、このため主として「公海の自由航行に関する啓蒙普及」を目的として活動した。しかし、海洋問題に関する基礎的な研究も必要なことから本年度は国内外の研究機関や研究者との連携協力網の拡大・確立および「公海の航行の自由」に関する基礎的研究も併せて実施することとし、定例研究会、海外有識者との意見交換およびオーストラリアヘの調査団の派遣を実施したが、それらの概要は次の通りであった。

 

(1)定例研究会

定例研究会は第一/四半期から第四/四半期まで四半期に2回を標準とし合計8回実施した。定例研究会では「公海の航行自由に関する普及啓蒙」の「普及啓蒙」に重点が置かれ、毎回、海上保安庁、外務省、海上自衛隊OBや現役、民間船舶会社関係者、アメリカ海軍(在日米海軍司令部)、さらにはマスコミ(日本経済新聞、読売新聞、毎日新聞、産経新聞)、月刊誌『世界の艦船』木津編集人など、別紙に示すとおり30人から40人が毎回参加した。この定例研究会ではシーレーン国際会議総括報告、アメリカ海洋戦略、新国連海洋法の問題などが取り上げられがたが、新国連海洋法の内包する矛盾により発生している領海確定をめぐる問題や、中国の領海拡大の動きが「公海の航行の自由」を侵害するのではないかとの懸念が大きな話題となった。また、本研究会の特徴を求めれば、「実務レベルの人が幅広い分野から集まり、お互いの経験を基に討議する」ことを基本としたため、極めて内容的に深く具体的な研究会となり、「公海の航行の自由」の必要性を普及啓蒙するという本事業の目的達成には大きな実績をあげることができたと考えている。
また、定例研究会は人材発掘やKnow Whoの輪を維持拡大し将来へ向け、海洋研究サークルの幅を広げるという点で大きな意味があった。平成11年度は、研究会をより深め充実するために、このような啓蒙を主とした活動と研究を主とした小人数の研究会とを行い、その成果を要約し本研究会の成果を出版物として充実させ、より多くの人に「公海の自由航行」の重要性を啓蒙するため、次年度からは研究者(学者など)の入会を促進すべきであろうと考えている。なお、本定例研究会の実施日時テーマ・発表者などは下表の通りであり、主要参加者は別紙第1の通りであった。

 

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