○海上防衛の考えは、南東アジアでさらに突出したものになるだろう。その問題の一部は、定まっていない海の国境線の問題から、より複雑化するだろう。それらには、冷戦当時から続いているものもある。例えば、PULAU BATU PUTIHの主権をめぐるマレーシアとシンガポールである。この紛争は国際司法裁判所(ICJ)に提起された。LIGITANとSIPADANの地位をめぐるマレーシアとインドネシアの紛争も国際司法裁判所で係続中である。
○南中国における重なる要求
南シナ海において、重なる領土主張要求を掲げている、ほとんどすべての国々は、その全地域を要求している中国を、うまく扱わなければならない。ミスティーフ諸島の実効支配を強める最近の中国の行動は、非常に有害で、無責任で、かつ恐ろしいものであると考えられる。なぜ今、中国は、クアラルンプールでAPECサミット、ハノイでASEAN、日中サミット、中露サミットが行われ、北朝鮮情勢が不安定な最中に、南シナ海に杭を打ち込む準備が出来ているのか。なぜこの段階でASEANと揉めるのか。もし、中国が世界に考慮すべきなのは今だと知らせたくないのなら……。
<アセアン10か国>
大きさや異なるイデオロギーのために亀裂が生じている国もある。アセアンの外交関係は多面化した。これはアセアン安全保障を揺さぶりかねない。アセアンを結びつけていたカンボジア接着剤はなくなり、国際共同体にもはや問題はない。カンボジア問題解決とともに、アセアンの結束は弱まっている。もはやその地域で安全保障問題に誰一人声を上げることはない。
便宜上のアセアンの結合は続くだろうか。難しいことだが、彼らは同じ組織でありつづけるだろうが、主要問題における政策は異なるだろう。例えば、現在何事にも合意を得ることが難しい。過去においては例えば、UNかビルマのKAMPUCHEAにおける合意はよりたやすいものだった。しかし、今は難しいだろう。ASEAN-AFTA自由貿易合意さえも、なし遂げるのはさらに難しいだろう。
○長い間、アセアンは、その存在の核として、互いの政策には口を出さなかった。この政策は、現在、見え透いた建設的契約政策の下で疑われている。このことは、お互いの内政批判をしないというアセアン合意の基本部分を脅かした。
○メンバーとしてのアセアンの結束に対する希釈はそのたの機関を受け入れる。たとえば、APECである。全世界規模化プロセスは、それぞれの国が固有の問題、つまり、ときには一般的なアセアンの目的と両立しないものをもっているように、アセアンの結束心を揺さぶっている。
○経済的悪影響はアセアンを弱め、アセアンの脆さをさらけ出した。例えば、マレーシアの隣のシンガポールとインドネシアの問題は、すべて両国の経済危機のためにあからさまになった。普段は互いに友好的だった国々が、突如として不仲になってしまう。
<アメリカ>
地域における存在力を高めたい。彼らは基地や施設にはあまり関心がない。現在、韓国、日本、シンガポールに持っているからである。したがって、現在はむしろ、基地や施設、役務提供に関する合意に熱心である。その代わり、アメリカは接受国の軍隊に、さらなる訓練や支援を申し出るだろう。アメリカにとって素晴らしい市場の機会である。アメリカはまた、接受国に武器を買うための借款も用意している。