出典:Booth, Ken, Navies and Foreign Policy, London: Croom Helm Ltd., 1977, p.16.
このように、米ソ2極対立という冷戦構造は、海軍に対して艦隊決戦によるシーパワーの増進ではなく、特定の政治目的を達成するための最も効果的な手段としての役割を期待したのである。この点に着目したブースは、Navies and Foreign Policyの中で海軍の機能は右表に示したような軍事的役割、外交的役割及び警察的役割の三位一体であるとした。彼は、海軍の本質は軍事的性質にあることから軍事的役割が三位一体の底辺をなすものとした上で、海軍の外交的役割の重要性を強調したのである。