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アメリカの貿易が占めるアジア・太平洋地減の割合は約30パーセントを占め、その多くが次に示す日韓豪などとの貿易で占められ、アメリカにとってアジア、特に日韓豪の関係は次の表が示すとおり、アメリカの発展にも不可欠な重要性を持っている。

 

アメリカの輸出入額(16)

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これらアジア・太平洋地域の日米韓豪の4か国、それに台湾がEUと同じように経済的政治的な連携を深め、将来は「民主主義と自由経済体制」という共通の理念のもとに、共通の外交や安全保障政策を樹立し、化学兵器禁止条約、総括的核実禁止条約などの軍縮・軍事管理などの分野から、PKOなどの平和維持活動を共同で実施し、世界の平和と安定に貢献すべきではないであろうか。台湾を除く日米韓豪の4国は、すでにトップレベルの政府首脳の安保対話から、艦艇の相互訪問、留学生の交換や環太平洋合同演習(リンパック)への参加など、様々なチャンネルでの防衛協力が進行中であり、これら4国がアジアの海の平和活動(OPK)に参加する意義は極めて大きなアジアの平和への貢献となるであろう。

 

アジア・太平洋海洋国家のGNPと海軍力(1996年)(単位:ドル)

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この海洋国家連合論に対して中国を敵視しているとか、アジアの国々を排除したアングロサクソン連合であるとかの批判があるかも知れない。しかし、この海洋連合は決して中国を敵視し、またアジアの国々を排除するものではない。このアジア・太平洋海洋連合は民主主義と自由貿易という価値観で結ばれた連合であり、アジアの国々の民主化と経済的な発展に手を差し伸べ、条件が整った国からヨーロッパにおける通貨統合のように加盟を認め、アジアの安定と平和に共同の責任を分担しようとする国々の連合体であり、決して排他的な軍事同盟を意図した同盟ではない。また、台湾を加えたのは台湾が民主主義の国であり、西欧的な政治と経済システムを持ち密接な経済的相互依存間にあるからである。

 

 

 

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