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アジア・太平洋地域の安定には、アメリカ軍の前方展開を含むアメリカの関与の維持が不可欠であり、アジア・太平洋の平和と繁栄のためには、リベラルな民主主義的価値観を理想として、アメリカと2国間同盟を結んでいる日本、韓国、オーストラリア、それに台湾の4先進国が、政治的には「デモクラシー」という価値観、経済的には自由貿易体制を掲げて連携し、ともにアジアの平和と繁栄に対する責任を分担するのが最も効果的な方策ではないであろうか。特にオーストラリアは太平洋の南端に位置し、アングロサクソン民族の西欧の一国であり、日韓とは地理的には遠く離れているが、民主主義を国是とし、軍事的にはアメリカの同盟国であり、経済的には下表が示すとおりオーストラリアのアメリカからの大幅な入超を、日本が2722億豪ドル、韓国が890豪億ドルの原料輸入による入超によって日米韓豪の4か国間でバランスされており、日米韓豪の4か国は経済的にも極めて密接な相互依存の関係にあるといえよう(14)。

 

オーストラリアの貿易関係(単位:億ドル)

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(シンはシンガポールの略)

 

また、オーストラリアは戦略的には日米韓の3国が北東アジアの安定に不可欠であるように、インドやミヤンマー、スリランカなどを含む東南アジアやインドネシア、さらにはパプアニューギニアや太平洋島喚国家群の発展と安定に不可欠な国家であり、次表に示すとおり、14万(90%がアジア)の留学生を受け入れており、アジアに民主主義を定着させるうえにも極めて重要な国である。

 

オーストラリアにおける留学生の数

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さらに、オーストラリアはアメリカとの同盟を最も重要な戦略的関係と位置づけ、戦略的重点を北東アジアと規定し、日本を重要なパートナーと認識し、日本との協調体制の必要性をオーストラリアの外交通商白書や国防白書は次のように述べている(15)。

「オーストラリアの対日関係の奥深さと質は、オーストラリアの幅広い安全保障と経済上の目標推進のため極めて重要である。政府は最上級の相互依存関係を築き上げている。..........今後の15年間に、日本はアメリカとの強固な同盟関係の枠内で、徐々に自国の安全保障に対してより大きな責任を果たし、域内でさらに密接な防衛提携を促進して、オーストラリアにとっていっそう重要な防衛上のパートナーになるであろう」(『国益に沿って:In the National Interest-Australia's Foreign and Trade Policy: White Paper』)

「アメリカとの同盟は最も重要な戦略的関係である。東南アジアや南西アジアや南西太平洋地域の多くの国との長年にわたる防衛の連携も協力促進の基盤である。われわれは域内の平和と安定のために、できるだけ多くのアジア太平洋地域諸国の間で共通の決意推進に努めている。しかし、東南アジアや南西太平洋地域の近隣諸国との絆が、膨大な戦略的重要性を持っているものの域内の戦略的重点が北東アジアにあるのは事実である。このため我々は北東アジア、特に日本と中国との連携を強化している。オーストラリアは日本との戦略的利害を多く共有しており、すでに定期的なポリティコ・ミリタリー協議(PM協議)を発足させ、これを情報交換など適度の軍事的連携で補完している」。

(『オーストラリアの国防政策:Australia's Strategic Policy』)

 

 

 

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