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その船はカナクリー・ロードに停泊させられた。海賊達は、デッキの見張り台で水兵を捕まえ、彼をブリッジに引きずった。それから海賊達は、三等航海士がドアを開けないのなら水兵Bを撃つと脅した。一発がブリッジ内で撃たれ、弾丸が水兵のすぐ側を通った。それから海賊達は、その航海士と水兵を船長室に引きずり、もし船長が彼のキャビンのドアを開けないのなら、彼らを殺すと脅した。いったん、ドアが開かれると、海賊達は、鉄パイプで船長を殴り、彼のキャビンの中を探し回り、ロープで彼を縛った。海賊達は、現金と価値があると思われるものは、何でも盗み、ボートで逃げ去った。海賊達が逃げたボートは、その海岸で使われる普通の形で、上部が白く塗られていた。海賊の監視が続けられたが、ひどい雨のため、海賊達は何とか逃げてしまった。

 

ソマリア

1998年9月27日、ジブチ船籍の一般貨物船ヌールスター号は、ソマリアのボサソ港から、海賊によってハイジャックされた。7人の海賊達が、船員1名を撃った後、その船を支配した。彼らはその船をソコトラ島近くのラス・ハフーンへ向わせ、そこで小さな漁村に乗組員の半分を降ろした。重砲が船におかれ、ハイジャッカー達は、インド洋へ航海した。「ハイジャッカー達は、インド洋とアデン湾で小さな船や、ダウの獲物を捕る為の攻撃船としてその船を使おうと考えている」と、降ろされた船員達は述べた。

 

上記の地域を通過する船舶は、海賊に対し注意すること。

船舶はソマリア海岸沖、少なくとも50マイルを保持することとを薦める。

 

1998年第4四半期

マレーシア

1998年10月11日、タイ船籍のトロール船、15名の漁師を乗せたオン・トン号は、6人の武装した海賊達にハイジャックされた。それは、タニュン・ゲラン沖95海里であった。3人の漁師が、攻撃の間M16ライフルで撃たれ、負傷し、命を奪われた。1人は後頭部、1人は腹部、そしてもう1人は足を撃たれた。「海賊達はトロール船に何も貴重品が無いのに気づくと怒り始めた」と、漁師達は言った。

また別の事件では、1人がピストルを持った2人の海賊が、1998年11月25日にプラウ・テプの海で漁師達のボートをハイジャックしたとき、1人は撃たれ死に、もう1人は溺死したと推測されている。漁師の1人によると、2人の海賊達が、午前3時頃に、彼らのボートに飛び移り、船長を撃った。それから、海賊達は彼らにプラウ・シンガ・ベサールに向うよう、命令した。残る4人の漁師達は、海に飛び込むように命じられた。海賊達は、その漁師のボートで公海に向い、4人の漁師達は島に向って泳いだ。しかし、3人だけが、海岸に着くことができた。1名が行方不明と報告され、溺死したと考えられている。

 

 

 

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