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表8:攻撃に使用された武器の種別(1998年1月から12月)

 

表9:攻撃に使用された武器の種別と、攻撃地域の比較(1998年1月から12月)

 

表10:被害船舶の船籍(1991年から1998年)

 

表11:被害船舶の種別(1991年から1998年)

 

観測と傾向

国際海事事務局(IMB)は、次の団体が重要な役割を担った、ハイジャックされた船舶の位置確認、特に1998年12月のテニュー号に関するタイムリーな報告に感謝している。

●中国海上捜索救命センター(北京)

●中国港湾管理局(HAS)

●中華人民共和団海上保安庁(MSA)

 

1998年12月31日における数字は、1998年の攻撃の数が、1997年と比べて減少した事を示している。当海賊センターは、この主な理由の一つとして、経済危機によるアジアにおける海賊行為の危険性に、船の持ち主や管理者が気づいたことによると考えている。船の持ち主たちは、海賊行為の起きうる地域において、寝ずの番をしたり、警戒人員を増員したり、停泊所を特別警戒するなど、特別な警戒体制を取っている。

インドネシアの海は、合計において攻撃が57回に上昇し、最も高い危険のある地域であり続けている。他方で、タイやスリランカ、ナイジェリア、南シナ海においては、攻撃は非常に減少している。1998年には、スリランカが海賊取締法を施行し、港の安全対策を増強した。結果として、そこでの攻撃は、1997年の13から、1998年の1にまで減少した。

マレーシアの海の海賊行為は、犠牲者が常に漁師であり、件数も増加している。

1998年に行われた攻撃の大部分は、船が停泊中に起きている。これらの攻撃は、武装した海賊が、船の乗組員を脅し暴行することによっておこなわれた。集計された数字は、暴力行為が増加していることを示している。特に、船員に対する暴行が急上昇を示している。怪我を負い殺される船員の数が上昇している。

フィリピンの海で殺された船員の多くは漁師だった。この年始め、海賊はモロ湾とチングラン島で、22人の漁師を撃ち殺した。ハイジャッカーの身代金要求が折り合わずに、殺されたものもあった。フィリピン当局は、影響を受けた地域で、海軍のパトロールを強化した。

最も不安なのは、ハイジャックされた船で殺される、最近の船員の数である。23人の船員がハイジャックされたヒューソン号で殺された、という報告を、われわれは得た。海賊達は、デッキに船員を集め、撃ち殺したと当局に告白した。

 

 

 

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