IV 東アジアにおけるシーレーン防衛を守る手段:幾つかの提案
シーレーン防衛の安全性を維持する最も良い方法は、先に述べた起こりうる脅威の源を取り除くか中和する事である。実践的に言うと、お互いに話し合うか地域諸国間の協力メカニズムを作り上げる必要がある。それは可能性のある脅威を取り除くか中和する為である。
過去何年かにも渡り、この地域のシーレーン防衛を安全に保つ協力手段に関して、様々な提案があった。例えば、クワラルンプールにおける国際戦略研究機関は、東南アジア海の為の地域的海事監視と安全政権の概念を定義した。この提案は不法行為を監視する事、情報交換(監視情報を含む)、海賊行為との戦闘、海事的安全の強化、汚染を制御する事の為の媒体を提供するかもしれない。実際この議題の幾つかは、インドネシア・シンガポール間の反海賊行為同調1992年7月のサインにおいて会議の席から現実になった。これらの国々は現在マラッカ海峡と隣接する海において監視とパトロールを共同で行っている。
最近、日本の川村純彦元海将補は、国際協力的シーレーン防衛案を打ち立て、アメリカをその中心(戦略的鍵を握る役割)に置き、アジア太平洋地域の国々に、その能力と地理的状況にあった地域と機能の責任を分け与えさせる提案をした。地域の国々の能力と地理的位置に合わせ川村氏は次の考えを示した。
(1)アメリカによる太平洋の海事コントロールの維持
(2)関係する地域の国々による北西太平洋、南太平洋、もしくはアセアン地域のような地域的な場所での海運の防御、監視、創作、救助。
(3)沿岸国による沿岸の監視と自国の海運防衛。
東アジアにおける海上防衛の国際協力の枠組みに対する必要性は日に日に増大している。このため、こうした多国間の責務分配システムは、受け入れられやすいようである。しかしながら、この多国間協力システムを実現する為には、多くの政治的、軍事的、経済的困難が取り除かれねばならない。
多国間協力案の設立に加え、冷戦終結後のシーレーン防衛にとって、東アジアにおける全ての地域国にとっての緊急の役割は、海上における信頼上醸成措置を構築し、海上における安定した協力の枠組みを創る努力である。
この多国間協力の枠組みは、海の安全を高めるためだけでなく、更なる地域国間の海事協力のためにも不可欠である。安定した枠組みを構築する努力と共に、海上安全保障環境の変化を考慮した信頼醸成措置を考えなければならない。以下の事は、地域の国々がシーレーン防衛を強める努力をすべき最も緊急の役割である。
第一に、東アジアにおける海上輸送貿易維持の為の、航海の自由の重要性を認識する事によって、その地域の国々は、シーレーンの維持と防衛に対して協力的アプローチを強める事を促進される。そのような協力的アプローチは、情報交換、捜索救難、海洋の安全、そして海における法と秩序といった人道的な協力で始まるかもしれない。この情報交換は脅威に関する情報や、シーレーンに関わる安全保障上の情報を含んでいる。