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1998年12月現在、1999年7月の選挙に出る意向を示している108の政党がある(1999年2月までにこの数は200に増えているだろう)。

1999年1月17日までに、政府は、ある新しい指令を出した。それぞれの党が次の選挙で戦う前に、27全ての地区で最低2つの支部を持たなければならないというものである。

 

<軍隊の役割>

 

●変化を担うこと。スカルノの時代には、それほど強力ではなかったが、スハルトの時代には、非常に強力であった。スハルト自身元将軍であり、軍隊のサポートをあてにしていた。1965年10月のクーデターのとき、スハルトはKOSTRAD(SFC)のもとで少将だった。

●スハルトは軍隊を1945憲法の擁護者にした。彼はPANCASILAを導入した。これは以下の5つの原理を強調する国家イデオロギーである。

・神の信仰

・国家の統一

・人道主義

・人気のある元首

・社会的公正

●1998年現在、軍は弱体化した立場にある。もはや、力に訴えることはできない。デモの参加者は、もはや軍に耳を貸さないし、軍の力を恐れていない。軍は、いまや、幅広い国民層の監視下にある。一例を挙げれば、WIRANTO将軍によるKOSTRAD司令官の任命は反対され、結局、彼は18時間以内に解任されなければならなくなった。これは、スハルトの時代には、決しておきなかったことである。当時、軍は強力な力を持っていた。

●軍隊の各階級は背離し、軍の規律は乱れている。中には、公然と権威に挑戦する者さえもいる。BN党を作った者たちは優秀な軍人であったので、このことは元GOLKARを不機嫌にさせた。しかし、目立った問題児達は解任された。例えばPROBOWO将軍やスハルトの義理の息子などである。にもかかわらず、誰も軍のクーデターを無視することはできない。

●DWI-FUNGSIの役割。民主化への要求が続く限り、この二重の機能は、もはや流行らないし、1999年1月にACEHでおきた出来事が表わしたように、人々に受け入れられないだろう。軍隊が、いったんその役割を失えば、大きな政治力を失うことだろう。

●将来における軍隊の役割は誰もが考えることである。現在の軍の指導者は、プロフェッショナリズムから逸脱しすぎないように考えているという指摘がある。しかしながら、軍には、現在の状態から既得権益を受けてきた人々が多数いる。彼らは役割を変えることを極端に嫌うだろう。

●インドネシアの軍隊は、タイのように、非内政干渉論者のモデルに適合する。しかし、タイの状況は一夜にして起こったことではない。軍隊が市民に平和に国を治めることを許したのは、ほんの過去5年間においてである。

●トルコのモデルは、もう1つの可能性だろう。このモデルでは、軍は、憲法の唯一の監視者であり、選挙が定期的に行われている間、軍隊に代わって市民が治めている。

 

 

 

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