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序論

モデル研修コースの目的

モデル研修コースの目的は、新しい研修コースの組織化と導入において、あるいは、それによって研修コースの品質および有効性が向上する可能のある場合には、既存の研修資料の更新または補足において、海事訓練機関およびその教授スタッフを助けることである。

インストラクターが盲従することを期待する厳格な教育パッケージをインストラクターに提供することがこのモデルコースの意図ではない。インストラクターの知識、技能、および献身が、このモデル研修コースの資料を通じて訓練される研修生への知識と技能の移転における基本要素である。授業のために、利益があると考えられる場合には、科目をまとめ、配列し直すことができる。たとえば、通信調整とVHF無線のいくつかの要素をまとめることができる。いかなる場合も、研修生がモデル研修コースのための授業時間表に述べられた目標をすべて達成することが不可欠である。

船舶通航業務の研修生の教育体系および文化的背景は国ごとにかなり異なることを認識し、モデル研修コース資料は、基本的受講要件、および普遍的に適用可能な条件での研修生のターゲットグループを特定し、IALA勧告V-103に定義する能力の基準を達成するために必要な知識と技能の技術的内容とレベルを定めることを目的としている。

この点で、定められた能力基準は、知識、理解、および実証された技能の基準またはレベルを取り入れ、国際的に合意された基準に従って、VTSセンターにおける適正な機能性能のために達成すべき熟練のレベルであると考えられる。

 

モデル研修コースの利用

このコースは、VTS運用官としての証明のために要求される知識と実際の能力を取り扱うよう意図されており、VTS要員にとって基礎的学習である。このコースは、課目ごとの形式になっており、IALA勧告V-103に述べられた「基本訓練」を与えることを目的としている。

VTS運用官としての証明のための研修および評定はすべて下記を要する。

1. 定められた能力基準を達成するために必要な提供の方法と手段、手続、およびコース資料を含む、文書化されたプログラムに従って構成される。

2. A部「スタッフ要件」により有資格の者によって実行、モニター、評価、支援される。

モデル研修コースを利用するには、研修スタッフは、当該科目について課目の枠組みに定める受講基準に従って与えられる情報を考慮に入れ、当該科目のコース概要および詳細授業時間表を検討すべきである。この検討の時、当該科目の研修生の実際の知識と技能のレベルおよびそれまでの技術教育を念頭に置くべきである。、また、実際の研修生の受講前レベルとモデル研修コースに想定されているレベルの間に困難を生じさせうる詳細授業時間表中の分野を特定すべきである。そのような差を埋めるために、インストラクターは、研修生によってすでに達成されている知識または技能を取り扱う項目を、コースから削除するか、またはその重みを軽減することを期待される。インストラクターはまた、研修生が獲得していないと思われる学問的知識、技能、または技術的訓練を特定すべきである。

詳細授業時間表、および当該技術分野における訓練を先に進むために要求される学問的知識を分析することによって、インストラクターは、弱点があることが明白である科目に適当な受講前コースを設定するか、または、その代わりに、授業時間表に当該技術研修要素を支援するために必要な学問的知識要素を挿入することができる。

 

 

 

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