8B/TEMP/15-E
別紙1
海上VHF利用者が必要とする機能に関するTETRAのマッピング
1 序
この別紙では、TETRAなどのような時分割多重アクセス(TDMA)方式が海上VHFの動作環境で採用されることができると考えられる方法を検討する。
海上VHFは、現在のところ、割合に直線的なスペクトラムの計画とチャンネルの割り当てとを行なわせる周波数分割多重アクセス(FDMA)を用いて運用されている。TDMSの導入は、数々の利点を利用者にもたらすものと考えられるが、単一の無線周波チャンネルに複数の利用者が乗るということを意味している点は、慎重に検討される必要がある。
以下の各節においては、海上VHFのいろんな動作モードが検討されており、また各々の場合について、TETRAが運用されるであろうと思われる方法が検討されている。
2 動作モード
新しい無線システムは、どんなものでも、既存システムの動作機能を備えているべきであり、また、既存システムの動作モードを幅広くサポートすべきである。余分の動作特性または動作モードは、歓迎されることになるものではあるが、当該システムが全体的に受け入れられない限り、利用されないことになる。海上業界にとっては、好ましい動作モードは、単一回線の放送である。点から点への二重回線または半二重回線による動作のみを行わせるシステムは、如何なるものも、受け入れられないことになろうと感じられる。
図1は、TETRAによる単一チャンネルにおける単一回線の動作原理を図解しているものである。
典型的な船舶の通航管制状況が描かれており、ここでは、25kHzのチャンネル2個が2箇所の指定区域について、通航管制に使用されているものと考えられている。これは、単一の25kHzチャンネルで動作している2個のTETRA時間スロットに変更されることができると考えられる。単一回線の放送は、区域内の全船舶に全ての呼び出しを受信させておいて、続けられることができるものと思われる。4個までの同時呼び出しが可能であろう。