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3 船舶と陸上との間におけるデータ交換 - 今後の開発事項

 

指摘されているように、数種類の国際組織が、既に、この問題の討議に入っている。例は、1996年4月ロッテルダムで開催された第8回VTS国際シンポジウムでの結論の一部に提示されている。これは、可能性がある今後の進展状況を示している。

 

1) VTSセンター間における情報の相互交換においてのニーズは、船舶通航管理と補給輸送行為との両方の目的において、高まるであろう。

2) 関連情報の流れが維持されることは欠かせないが、会話による通信を減少させるという一般的な要求が、特に船舶の通航が集中している区域においては、生じることになろう。通信と情報提供放送とにおける自己規制が、VTSにおける通信チャンネルの負担を減少させる可能性はある。電子データ通信をますます利用するという方向への進展が予想される。

3) 新しい技法が、VTSと電子海図システムなどのような船上機器との間の相互データ回線の使用へと導いて行くことになろう。この種のシステムについては、現存するものであろうと今後開発されるものであろうと、陸上システムとの間の両立性と相互動作可能性とに考慮が払われるべきである。これらの問題については、更に調査研究される必要がある。船舶通航管理の分野におけるデータ通信の使用について、国際標準の作成が促進されるべきである。

 

このような研究及び実行プログラムの一つに、米国で考案され萌芽段階のものではあるが、『統合船上情報技術(ISIT)』というプログラムがある(1996年5月、IMO/MSC66で発表された)。このプログラムは、船籍国と国内及び国際規則に則っている港湾担当機関とに対して、協力過程を改善させることと、タイムリーな事業活動を前進させることとの両方の目的に利用されることができる技術を開発するように意図されている。

 

ISITの綱領実行プロジェクトは、船上データの利用者が、それを基にして、安全、環境、経済上の問題に必要な事項を集約するアプリケーションを築きあげることができるようにする基盤を設定すること、を狙いとしている。これは、必ずしも、複数の検査担当機関のニーズのために、総合的な船舶/陸上一覧を作り上げるものではない。このニーズは、直接アクセスする機会を与え、口頭による追跡と簡単に追跡できることとによって高い信頼性を与えて、これらの『検査官』に電子的に当該船舶を聴聞することができるようにさせる、便宜性のためのものである。

 

 

 

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