日本財団 図書館


変化する環境に対する協会の挑戦

近い将来を考えたとき我々は何を期待するか?急速に変化している環境下において、主な進歩と傾向の輪郭は容易に特定できる。我々は世界的市場と貿易の時代に突入している;

● 貿易は工業生産により急速に増加している;

● 商品と人員の輸送ニーズは早く且つ正確な手段でまとめあげる;

● 船は高速大型化する。高速船交通は増加する;

● 情報通信時代の始まりは海上交通管理方法に劇的な変化をもたらす。海上交通はより組織化され規制され航空交通のようになる;

● 技術革新とシステム更新の速度は加速する;

● 重大事故は地域の特性を失わせてきた。近代的航路標識の基幹施設に関する今日の要件は、地上に基地を置いたシステム技術を使用する限り、事故の完全防止を求めている。航行の安全は海洋環境の保全に関して必須の前提条件でる。

我々の業務環境における前述の傾向と共にこれらの要因を考慮し、IALAに対する挑戦の影響を検討した。

最初の挑戦として明らかな要件は、国際水準での航路標識の調和と標準化である。事実これは市場の国際化から来る自然な成り行きである。全世界の非政府系協会であり、工業会員を擁している利点から、IALAはこの問題を引き受けて指導的役割を果たす独特な立場にある。

国際的に認められた技術規格は、下記分野の航路標識業務に役立つ。

● 作業計画と遂行;

● コスト削減:

● どこでも同じ品質のサービスを保証する;

● 使用者も求めることを明確にする;

● 効率的な機器を適性価格で製作する。

この様な規格は、システム技術、技術性能、サービス水準、運用手順、品質保証、運用員訓練に適用できる。IALAのより重要な役目は新標識の創作と予見されるシステムの推進である。必要に応じ、技術標準は次に政府によって導入される法律に先行する。しかしこの設定は、すべての関連当局や機関が希望するようにできるだけ完全に仕上げるIALAの集団責任に当たる。

密接な協調の必要が認められている一つの挑戦は複雑な技術と、近代技術の重複使用である。通信の定義と陸上や船上の機器の補強についての協力行動が必要である。関連国際当局者と機関がお互いに信頼することを期待する。

十分な資金調達が出来ない世界の各所で航路標識の近代化の必要性を考えるときにIALAが技術支援をそれらの国に公平に提供しなければならないだろう。"利用者負担"の原則はこの問題の助けになるかもしれない。しかしこれはサービス提供者と使用者間の関連、目的と利益の定義の考え方を織り込むことになる。理事会は将来来るべき問題について継続して留意する。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION