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皆さんドイツはIALA設立委員の一員であることを誇りに思っている。設立以来我々は全力でIALAの生産性の開発に取り組んできたし、将来も継続するであろう。IALAが設立された当時は、基本的な問題は従来の光波標識関係とこれらの調和であった。IMOと共同で導入した灯浮標の国際浮標式は、当時IALAが達成した素晴らしい成功の中に入る。しかしその後、IALAの技術機関は電波航法とレーダ問題に注目した。この分野は急速に進歩しVTS、衛星航法と共に今日主要な因子になった。

IALAは挑戦を機会として常に技術進歩と革新需要に注目し、そしてしばしばプロセス自体を開始したり磨き上げてきた。協会の特徴であるこの考え方や行動で、IALAは今日差し迫まった又新しい問題を解決するのに極めて好ましい位置に置かれている。世界市場は今日地球化時代に入り情報と通信の近代的技術はそのために必要な条件を整えてきた。国際貿易は生産産業よりも早く成長している。

我々は21世紀に近づきつつあり、この時代は増加する貿易と交通量の流れに取り組む各種の輸送形態の中で、海上輸送が重要な部分を占めることは明らかだ。もし長距離交通の為の効率的で、環境にやさしい運送全般のシステムを達成するなら、海運が持っている低運送コスト、高収容能力、低エネルギー消費、環境適合性、及び高度の安全性と信頼性は、将来開発を促進しなければならない利点である。非常に重要なこの運送様式-運送政策ばかりでなく経済政策の面でも-はすでに現れており、世界貿易の90%は海上輸送である。輸出立国であるドイツ-輸出利益の大部分-ドイツ外国貿易の70%は海上輸送である。

皆様、今日海上輸送の分野は激しい競争にさらされている。時間の正確さは輸送サービスの質の厳しい基準になっている。高品質の海上輸送は、特に新管理方式の使用を増加させる基礎となっている。航路標識当局はこの開発の重要性を実感している。多くの場合、人員や予算源が削減されているが、海上輸送の効率や安全面の水準は強化されている。

ここでも又新管理方式に焦点を当て、会議で論議のトピックになるであろう。

今日船に対するサービスとしての交通安全施設の設備や運用が増加していることが見うけられる。ドイツではこの面の長期施策を持っている。

皆様は世界各地からここハンブルブに到着し、以後10日間にわたり、航路標識の構築と運用における現在の傾向である、"システム技術を通じての航行の安全"というテーマで論議を重ねる。運送に近代的システム技術を使用するのは、今日テレマチック運送と言われており、近代VTSがその適用範囲に分類している分野である。

ハンブルグを含む多くのドイツの港は、生態環境に敏感な沿岸地域、所々人口的に維持管理した水路の運用に長い間取り組んできた。特に悪天候時には水路の安全航行には色々と必要事項が有る。我々は港の競争力を維持し安全の向上を確実にする為、1960年管理当局と産業界の大きな努力により素晴らしいVTSを設置し、以来、沿岸基地のレーダチェーンで運用している。今日では我々の海上安全に対する考え方の基本的要素になっている。VTSは船舶災害を防止する効果が証明された。更にVTSシステムと連結したテレマチック、サービスは交通量管理と海上運送の経済効率に貢献した。1993年ドイツはテレマチックの導入に関した基礎的な運送方針を設定した"運送のテレマチックに関する活動方針"を公表した。

 

 

 

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