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E. Rundeハンブルグ市長の挨拶

ご出席の皆様。自由ハンザ同盟のハンブルグ市元老院議員に代り皆様を心から歓迎する。ハンブルグはドイツにおける大きな港湾都市であるから、この特別なイベントとしての第14回IALA会議はその工業会が行う展示会でさらに強化されるであろうと推定する。ハンブルグとその周辺は地理的に東西間の貿易接点の地域を成しており、経済的に繁栄している。ここに本社を置いて多数の企業が国際的取引を行っている。その多くは技術とマルチメディアの企業であり、ハンブルグで国際会議を主催することを喜んでおり、これは次の千年につながりを与えるであろう。世界化の進展は経済成長の進行のみならす、交通量の安定した成長をもたらす。海洋の安全と交通管理に関する運用上の規格と技術の規格の改善進行に加えて、より効果的な運送システムが必要となる。

ご出席の皆さん、水路や海域の安全は衝突が起きるまで一般大衆には殆ど関心が無いが、特にこの様な事故の重大性に気づいた人はあらかじめ予測したよりもはるかに多いのは、ここからわずか数キロにある国際的に注意を引いたハンブルグタイタニック展示会場で自分自身で見ることができる。展示を続けると9月末までに700, 000人の男女子供が見ることになる。皆さんかかる悲劇的な事故が沿岸沖合いで起きないようにしょう。ハンブルグのような都市が海洋と強く関係していることに感謝しょう。

ハンブルグには世界の都市を海路で繋いだエルベ川の海運と貿易の長い歴史がある。そのためハンブルグ市を貫通するエルベ川の80マイルの航路を安全にするのは常に大変な関心事だ。ハンブルグは600年前に航路を造ろうとした。13世紀に拡大したハンザ同盟がハンブルグの海上貿易を増加させた。しかし貿易が拡大するにしたがって船はしばしばエルベとベセール川間のWattenmeer浅瀬砂バンクに座礁し、海賊が貿易を脅かした。

話し合いの結果ハンブルグはエルベ河口の入り口にあるNeuwerk島の権利を取得した。1300年にかけて、目立つランドマークとして塔を建て、船員を海賊や略奪者から守った。この塔は今なお建っており、ハンブルグにおけるもっとも古い建造物である。14世紀の前半には、船の喫水が浅くなったのでエルベに水路標示は不要になった。1450年までは標識は不要であったが、以後、最初に固定標識、後で浮標を追加した。船が容易に安全に接岸出来ることが貿易発展の最重要課題であり、ハンブルグの商人は運送水路の安全測定の必要に迫られ、エルベ水路の浚渫が毎日の日課として始まった。ごく最近蒸気船が導入されるまで夜間の水路標示にビーコン燈は使用されなかった。

 

 

 

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