●産・官・民が一体となった整備を
現在、尼崎では「リフレッシュポートあまがさき計画」が行われています。中島川も復旧工事が行われ、当社の桟橋の一つもその計画地に含まれています。
震災復興や町づくりの一環として整備が行われる際、行政側がプランを考え、地域の企業や住民には計画の了解だけを求めてくる傾向があります。でも、これでは事前協議と言えません。例えば、大型トラックの出入りが多い工場地帯なのに、トラックが一度に回りきれない道幅で道路を整備している例があります。
親水性のある護岸やボードウォークを整備することはもちろん良いことですが、この地域は化学工場や重工場が多く、工場内の薬品や交通運搬など危険な要素もたくさんあります。すぐ近くに一般の人々が入り込むなら、企業側は危険防止のためのさまざまな策を講じなければなりません。
事前に現場との綿密な協議があれば、企業や住民も行政に希望を伝えられます。完成した後で矛盾が生したり、二度手間になったりすることがない、地域のニーズにあった整備ができるはずです。最近は行政にも「変えなければいけない」と意識をもった方が出てきていると感じています。今後は産・宮・民が一体となった整備が行われることを期待しています。
●新しいビジネスの展開
昨年末、異業種の友人たちとインターネットによる商取引会社を設立しました。零細企業でも、元気な会社はまだまだたくさんあります。そうした企業をネットワークでつなぎ、小さくても自立している会社を増やしていきたいと思っています。
【質問】臨海地域の工場間の交流やネットワークはどうなっているのでしょうか?
【回答】当社は近隣の同業者11社で油脂団地の組合をつくっています。また鉄鋼団地、金属工業団地など、各業種ごとに組合が設立され、それぞれの状況に合わせた対策を組んでいます。ただし、組合の共同施設は、一社でも非協力的だと運営が不可能です。例えば油脂組合の共同排水場の場合、排水の基準に合わせられない工場があり、当局から全面的に使用を禁止されてしまいました。そうしたリスクを回避するため、現在当社は自社だけで処理をしています。環境対策についての自社のノウハウは可能な限り公開していますが、結局は各企業の意識に負うところが大きいと感じています。
【質問】インターネット商取引について、もう少し詳しく教えてください。
【回答】林式会社テレメッセという名でホームページを開設しています。商品はまだ文房具のみですが、社内のLAN、会社間のネットワークなどの相談に応じています。また当社が実験台となって、新しい形の簡潔な経理事務方法を試みています。実際の商取引が成立するまでには、あと一年ぐらいかかると予測しています。
【質問】内藤さんが一番得意な分野は何でしようか?
【回答】お金の流れを把握することです。経理業務は結果ですが、お金の流れは将来を予測することができます。大変興味がある分野です。
視察
●北堀運河
尼崎の臨海部に広がる運河の中で、最初に整備された北堀運河を視察した。あいにくの雨で、出会い橋で説明を受けるに留まった。