日本財団 図書館


エ. 地震発生後に想定される対策活動支障の検討

以上の検討結果を踏まえ、地震発生後に呉市及び呉地方拠点都市地域において支障が生じる可能性が高い対策活動等の想定を行う(図表4-23)。

 

(ア) 食料・生活必需品の確保

食料・生活必需品については、呉地方拠点都市地域で1日当たり食料約27万食分への対応が必要となるが、各家庭への備蓄依存度が高いことに加えて、市町村や県においても十分な備蓄が実施されておらず、地震直後から食料・生活必需品不足に陥る可能性が高い。外からの救援物資に頼らざるを得ない状況となる。

外からの救援物資については、陸上輸送網の寸断も予想されるため、大量輸送が可能な船舶の受け入れ体制の整備が求められる。

(イ) 飲料水・生活用水の確保

飲料水・生活用水については、地震発生直後、呉地方拠点都市地域で1日当たり飲料水約924t分への対応が必要となるが、市町村や県においても十分な備蓄が実施されておらず、平常時の水道供給システムが麻痺した場合には、地震直後から飲料水・生活用水不足に陥る可能性が高い。外からの応急給水に頼らざるを得ない状況となる。

外からの応急給水については、陸上輸送網の寸断も予想されるため、大量輸送が可能な給水船の受け入れ体制の整備が求められる。

(ウ) 災害廃棄物の処理

大量の建物の倒壊に伴い、呉地方拠点都市地域で約100万tにも及ぶ災害廃棄物の処理需要が発生するが、平たん地が少ないという地理的な制約や公有地が限られている事情などから、これらの災害廃棄物を一時的に保管するスペースが圧倒的に不足する可能性が高い。大規模なオープンスペースを有する港湾空間の利用が不可欠となる。

(エ) 救助・救命・医療救護

呉市周辺の島しょ部において道路施設や港湾施設の被害が見込ま

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION