れているため、島しょ部が周辺地域から孤立化する可能性がある。その結果、応援要員の到着が遅れるなど救助・救命活動や医療救護活動への対応が遅れ、人的被害の拡大を招く可能性がある。
また、呉地方拠点都市地域で約1万8千人にも及ぶ大量の重傷者が発生するが、医療施設の機能低下や医師・看護婦等の被災などから、対応可能な医療スタッフが不足する可能性が高い。
(オ) 避難
大量の家屋倒壊や水道、電気等のライフライン供給停止に伴う生活支障等により、呉市で約6万人、呉地方拠点都市地域で約9万人にも及ぶ大量のり災者が発生するが、平たん地や大規模オープンスペースが少ないという地理的な制約などから、受け入れ可能な避難施設・避難場所が不足する可能性がある。
(4) 対策活動支障に対応して呉港に整備が求められる機能
ここでは、(3)の対策活動支障を基にして呉港において整備が求められる機能の検討を行う。
その結果、呉港においては、1]救援物資の搬出・搬入、2]災害廃棄物の一時保管、3]救助・救急活動支援、4]避難支援の4つの役割が求められていると考えられる(図表4-24)。
ア. 救援物資の搬出・搬入
救援物資の搬出・搬入については、海上交通を利用して外部から被災地へ届けられる救援物資を円滑に受け入れるために、救援物資輸送船舶の接岸可能な耐震強化岸壁の整備を図るとともに、その後の仕分け、一時保管や各市町村及び市内避難所への救援物資の搬送等の活動を効率的に行えるよう、物揚場、上屋・倉庫、トラックターミナル・駐車場、臨港道路を一体的に整備し、耐震強化を図ることが重要である。また、陸上輸送網の寸断時などにおいても、効率的な輸送を実現するために臨時ヘリポートの整備を行うことも重要である。
イ. 災害廃棄物の一時保管
災害廃棄物の一時保管については、呉市内で発生した災害廃棄物のみならず、場合によっては呉地方拠点都市地域を中心として自地域内での