(イ) 地域産業の活性化による新規雇用機会の拡大プロジェクト
人口流出を抑制し、縮小する経済活動に歯止めをかけるためには、定住の基礎的条件である雇用機会の創設が大崎上島での最大の課題である。大崎上島での新たな産業・雇用開発を進めるためには、島内の資源・技術・人的資源及び産業間のネットワーク化を必要とし、単独町では、必ずしも豊富な資源を附存している訳ではなく、島内のあらゆる資源を結集して新たな産業、雇用開発を進める必要がある。
新規雇用機会の拡大プロジェクトは、島内に附存する資源、技術、人的資源を活かし、3町連携・共同による新たな産業を創設するためのプロジェクトを提案するものである。
(ウ) 生活の豊かさを再建する文化・教育サービス充実プロジェクト
島の活性化と島での定住を促進していくためには、魅力ある雇用機会の拡大と併せて島のよさが実感できる定住条件の向上が不可欠である。
大崎上島の将来の人口見通しは、ここ数年では減少傾向から横這いあるいは増加に転ずる要素が想定し難く、今後ともこれまでの傾向で人口減少が継続するものと想定される。
人口減少は、これまでの単独町による施設の適切な維持・運営が困難になるとともに、サービス水準の低下が懸念される。
魅力的な島民生活を実現するためには、島としての一体的取組メニューを質・量ともに豊かにしていくことが今後の重要な鍵であるということについての共通認識は、各町の行政担当者間に一定程度定着している。
しかしながら、日頃の住民生活は、買い物、飲食、医療機関の利用などのために隣町へ行く機会はかなりあるものの、3町共通のお祭りもなく、また、それぞれの住民がともに参加するその他の行事も限られている。こうしたことから、各町の住民の日頃の生活圏は、町内完結型であるといえる。
