日本財団 図書館


4] 交通ネットワークの充実・強化

 

前述した「高齢者が安心して暮らせる地域づくり」や「産業の育成と就業の場づくり」、「他地域に比べて遜色のない教育・文化サービス水準の確保」などの事業展開を担保するとともに、それぞれの事業展開の効率を高めるためには、交通サービスの充実・強化が必須条件である。

大崎上島では、3町を結ぶ唯一の道路が主要地方道大崎上島循環線であるが、一部大型車両の通行が不可能な区間がある。また、唯一の島の公共交通機関であるバスサービスは、主たる利用者が児童・生徒や高齢者であり、1日8本が連行されている。島内の交通手段は自家用車が大半を占めているが、交通弱者にとってはバスサービスが貴重な交通手段であり、道路網の整備拡充と併せてバスサービス存続への支援が重要である。

一方、離島である地理的条件を克服するため、3町共同で架橋建設促進活動が展開されている。架橋促進活動については、今後とも継続して進める必要があるが、当面の課題としては、本土や大三島などとの航路による交通ネットワークの強化が重要である。

しかし、今治市と尾道市を結ぶ「しまなみ海道」の完成に伴って、木江町、大三島町、今治市の3市町による第3セクターで運行されている大三島と木江町天満港間フェリーの運行本数の削減や、事業主体としての今治市の撤退が懸念されている。

大崎上島では、フェリー運航については、港が立地する各町の責任で対処するものとの合意がなされている。しかし、大崎上島での産業振興を進める上での大きな期待として都市との交流を掲げ、事実、島の観光は、竹原市-大崎上島-大三島という観光ルートが確立され、島内での入り込み観光客は島の経済に大きな影響を有している。木江町天満港と大三島間のフェリー連行本数の削減は、1町にとどまらない島全体に大きな影響を与えるものである。

このため、島内と本土、隣接島を結ぶフェリーサービスについては、3町共同による取組による、航路サービスの充実が望まれる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION