第1期には、U・Iターンフェアへの参加や地域フォーラムの開催などを行ったほか、域内施設の優待パスポート「エメラルドパスポート」の発行や、広報紙「県境サミット通信(エメラルドニュース)」の発行、「エメラルド倶楽部」の会員募集などを開始した。なお、この「エメラルドパスポート」や「県境サミット通信(エメラルドニュース)」の発行などの事業は、第1期のみで終わることなく、その後も継続している。
「エメラルドパスポート」の内容や発行部数は、年々拡充してきており、本年度は、13,000部を発行した。このうち約12,000部は既に売却できている。この売却済みのうちの5,000部は、福山市内のスーパーが、顧客に渡すために買い取ったものである。来年度は、さらに域外から多くの顧客を呼び込むために、マツダレンタカーと提携することも検討している。
「県境サミット通信(エメラルドニュース)」は、各市町村には150部ずつしか無料配布しておらず、それ以上必要な部数は、各市町に有料で買い取らせている。これは、タダではなれ合いに堕してしまう可能性があるので、発信受信の双方に責任感を持たせるために採っている措置である。
第2期には、第1期にはじめた「エメラルドパスポート」や「県境サミット通信(エメラルドニュース)」の発行などの事業を継続するほか、「森林都市圏の創出」と云う県境サミットの理念に近づくため、「3つのGT戦略」のもと、戦略的広域行政の展開を目指した。「3つのGT」とはGreen Tourism、Green Terminal、Green Trustの3つである。
1つ目のGT、Green Tourismについては、農水省の補助金で作っている「エメラルドパスポート」の内容を年々拡充していくとともに、「公共交通の旅モニター」を募集し、広域観光ルートの創作、体験を訴えた。この事業に関しては、モニターに応募してきた人々が、県境サミットの圏域に対する域外のサポーターになってくれるといった効果も生まれた。また、県境サミットの圏域の産品を、域内の道の駅で販売してもらうようにするなどの取組も行っている。ことに哲西町の道の駅では、全売場が県境サミット地域の産品で埋められている。
2つ目のGT、Green Terminalとは、情報網の整備のことである。域内には公共図書館が5館しかないが、域内の他市町の図書館からも郵送で本を借りることが出来る広域的図書貸出返却システムの整備により、情報の受信を容易にした。この広域的図書貸出返却システムにおいては、貸出費用はサミットが負担しており、利用者は、返却時の郵送料のみ負担すれば良くなっている。また、県境サミットのホームページ(含;構成各市町村のホームページ)を作ることで、情報の発信もしていくようになった。