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インターネットによる圏域施設予約システムや広域電光掲示板も設けた。さらに、イベントの共催による情報発信も行っているが、県境サミットで業者を通さず一括して契約することで安くあげることが出来ている。

3つ目のGT、Green Trustは、緑の保全である。県境サミットの圏域は5つの川の水源に位置するが、この水源の水を使った地ビール(仮称;エメラルドビール)を生産し、20円の森林トラスト費を上乗せして販売しようという計画もある。この地ビールの生産には、国庫の補助が付く予定である。

本年度からの第3期では、地ビールの生産・販売や、圏域内に水源をもつ5つの川をテーマにしたCD「五川譜」の制作・販売など、引き続き「存在のアピール」や「3つのGT戦略」に基づく事業の実施に努め、立ち後れている情報・環境インフラの整備などを通じて、「森林都市圏の創出」を目指していく。なお、CD「五川譜」の制作には農水省の補助金600万円が付いている。このほか、情報・環境インフラの整備に関しては、中山間地高度情報化事業ということで、郵政省の補助金も付く。(図表2-4参照)

 

5) 広域連携成功のキーポイント

 

広域連携の活動実績から、その成功のためには以下のような考え方のもとで取り組むことが必要とされている。

・解決する鍵は、その地域にしかない。

・自分たち自身で考える。

・楽しくなくちゃ仕事じゃない、苦しくなくちゃ仕事じゃない。

・公平さと不公平さを間違えるとだめ。

・考えるより先に飛んでしまえ。

・行政主導がなぜ悪い。

・情報の公開につとめる。

以上7点の発想、取組姿勢が、県境サミットという試みが一応成功しているキーポイントになっている。

なお、広域連携の必要性が無くなれば、組織そのものの存続にはこだわらず組織の解消もあり得るとは考えているが、現状では、この県境サミットという広域連携をはじめたことで、各市町とも情報発信(と同時に情報入手も)が、出来るようになってきており、また、地域住民の顔も見えるようになってきているなど、広域連携をはじめたメリットは大きく、その必要性は失われていないものと思われる。

 

 

 

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