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(イ) 観光資源の状況

 

現在、大崎上島では積極的な観光振興の取組は行われておらず、民間施設(観光旅館等)による個別的な展開がみられる状況である。

誘客力の高い観光資源は、現時点では存在していないといえるが、将来的に観光資源として活用可能なものも少なくなく(図表1-20参照)、以下に主要なものを整理する。

 

a. 集客力のある観光資源

大崎上島への入込観光客の目的は、温泉と夏場の海水浴であり、島内では、2つの温泉とキャビン、キャンプ場を有する3つの海水浴場がある。

木江町の温泉施設を除くといずれも夏型観光である。

 

b. 文化的観光資源

文化的観光資源としては、木江町ふるさと郷土資料館と櫂伝馬競漕を神事とする東野町の住吉祭や木江町の十七夜祭などのお祭りがある。祭見学を目的とした観光入込客もみられるが、神事であるため、住吉祭と十七夜祭の連携がとれず、単発的な行事に留まり、大崎上島としての情報発信機能が弱い。

木江町のふるさと郷土資料館は、清風館宿泊客の立ち寄り型観光資源であり、郷土資料館を目的とした観光客の入込はみられない。

また、木江町の木造の古い町並みは、観光資源としての活用が考えられるが、島内での観光客の滞在時間が少ないため、観光資源としての活用がなされていない。

 

c. 体験型観光資源

大崎上島では、地域の資源を活かしてミカンのオーナ制度やもぎ取り園、釣り船などの観光・レクリエーションサービスがある。こうしたサービス提供は、観光協会や組合、個人により行われているが、本土からの交通費が高いことに加えて各事業間の連携が不十分であることや他地域との差別化が図られていないことなどから、単発的な事業に終始し、入込客数も余り多くない。

 

d. 物産・郷土料理などの状況

特産品としては、山桃ジャム、ブルーベリージャム、プルーンジャムなど果実加工品や伝統技術を活かした味噌・醤油、鯛などの加工品、クルマエビ、アワビなどの養殖がある。

 

 

 

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