第8章 広域連携の推進に向けて
広域連携を円滑かつ大胆に推進し、その効果を高めていくための方法として、「推進体制の整備(総合調整機能の強化)」、「情報機能の充実(情報ネットワークの整備)」、「交通基盤の拡充」について提案する。
1 総合調整機能の強化
実際にこれまで提案したような取組を進めていくためには、連携のイニシアチブをとり、リーダーシップを発揮できる組織やリーダーが不可欠である。
とくにその実現においては、既存の枠や日常的な業務・事業にとらわれない自由な発想と、個々の市町の利害だけにとらわれることなく、広域的な視野をもって、圏域全体の整合性に留意した大胆な判断が必要である。
幸い、本地域には2市3町の行政と議会、県事務所、土木事務所からなる湖南総合開発促進協議会が設置され、これまでにも広域連携の実現にリーダーシップを発揮し、実績を重ねてきた。また、一部事務組合である湖南広域行政組合が2市3町によって設立され、すでに具体的な成果をあげている。
従って、同協議会が広域連携推進の総合調整機関となり、さらに指導力を発揮するとともに、担当レベルでは調整・解決できない事項について、積極的に関与し、調整と判断などの役割を果たしていくことが望まれる。
(1) 総合調整機関における当面の取組
ア 本調査研究で示してきた提案について、そのプライオリティ(優先順位)を定め、担当部局などからなる具体化検討チームを発足させる。
イ 各市町が設置を検討・構想する施設などについて、その需要、必要性、機能の望ましいあり方などについて共同で研究し、協力・連携の可能性について検討する。
(2) 総合調整機関における中・長期的な取組
ア 新たな施設の設置・配置などについて、総合的な調整による圏域全体での適正配置を推進する。