村民意識調査で明らかになった「住み慣れた家でずっと暮らしたい」という村民多くの願いをかなえるとともに、より長く自立した生活を送るために、介護保険制度の施行とともに介護基盤のより一層の充実が求められている。
同時に、介護の社会化が叫ばれるなかで、村には「福祉の世話にならない」という村民の意識が根強い。そのため、自立を求める健全な村民意識を育む一方で、真に行政サービスを必要とする村民に対しては、行政サービスを受けることへのわだかまりの払拭や、本人が気がねなく行政サービスを受けることができる、思いやりのある地域社会づくりを進めていかなければならない。
(4) 村の良さである地区コミュニティの再生
村には隣同士が支えあってきた地区コミュニティがある。村民意識調査によると日頃のつきあいは「隣近所」が最も多く、年齢とともにその割合は上昇し地域に回帰していく。今後は高齢化が進み、介護が必要な高齢者の数も増加することが予想される。老後の生活のよりどころは地域であり、地域で支えあうコミュニティの重要性がより一層高まっている。
この中で、村民意識調査ではボランティアに参加したい人が多数いることが明らかになった。「村に住んで良かった」といえるよう、村の良さである地区コミュニティを再生し、ふれあい・世代間の交流を通した地域の支え合いの輪を広げることが求められている。
(5) 高齢者・障害者の社会参加とむらおこし
村の主な産業は西川材の産地、林業と観光・レクリエーションである。林業は安い外国産材の輸入により、国内価格が低迷し経営が非常に厳しい状況にある。観光・レクリエーションとしても民宿・旅館・キャンプ場の経営を行っているが、通年の集客を確保することは難しい。
今後は若者が村を離れ、産業の担い手も高齢化がより一層進むことが予想される。また、障害者を取り巻く雇用環境は、不況の長期化でますます厳しくなっている。
このような状況の中で、様々な人たちとの交流と地域資源を活用し、高齢者・障害者が参加した「むらおこし」を進めていくことが必要である。