2 調査研究の視点
本調査研究では、前項の考え方をもとに、次の諸事項を調査研究上の視点とし、具体的に検討を進めている。
(1) 現状分析からの問題点の整理と課題の抽出
第1に、子ども、高齢者、障害者等に対する本村における保健福祉サービスの現状を分析(人口及びサービス水準等の数値的・統計的なものの整理、名栗村老人保健福祉計画等諸計画の関連性とその進捗状況の再確認)し、今後の住民ニーズ及び村内外の関連サービスの現状を把握(村民意識調査の分析、関係者・団体へのヒヤリング等)している。
その上で、本村の保健・医療・福祉における問題点の整理と今後重点的に取り組むべき課題を抽出している。
(2) 総合化の意味の明確化
第2に、保健・医療・福祉の総合化については、住民サイドと計画レベルの2つの点から検討を行っている。住民サイドのレベルでは、住民本位の視点に立ち、村民一人ひとりの状況に応じたサービスを横断的に受けられる方策を提示している。
一方、計画レベルでは、上位計画や既存の計画間の関係(各計画の運動、関わり)や名栗村老人保健福祉計画及びこれから策定される介護保険事業計画等との整合性を図っている。
つまり、住民本位の総合的なサービスが提供できるよう、保健・医療・福祉といった従来の行政の枠組みにとらわれることなく、本人の状況に応じた行政分野ごとの施策の統合を図っている。
(3) めざすべき方向性
本調査研究に共通するテーマは、「健康」を基本とした生活の質(quality of life)の向上である。保健・医療・福祉分野での住民のニーズは、その価値判断の多様化とともに高度化、複雑化している。それゆえ上記(1)、(2)を踏まえながら、体制及びサービスを整えていく必要がある。