日本財団 図書館


現在、本市には、遠州鉄道の乗り入れについて、中心的役割を果たし、それを地域の発展に結びつけていくという主導的な役割が求められているのである。

 

(2) 乗り入れへの対応

遠州鉄道の乗り入れ計画は、平成3年5月、遠州鉄道が新長期計画で「(遠鉄電車の)天竜市街地への乗り入れ」を検討しはじめたことが発端である。

そして、本市は、当初からこの乗り入れ計画に機敏に反応し、「乗り入れ願いたい」と、市としての意向を表明している。

ところが、天竜浜名湖鉄道は、この問題について、静観の構えあるいは受け身の立場で終始している。

こういった、天竜市・遠州鉄道・天竜浜名湖鉄道のそれぞれの動向や利害を含めた全体の構図を視野に入れて、乗り入れ問題にどのようにアプローチしていくのかを整理していく。

 

(3) 乗り入れ整備費用の負担の考え方

乗り入れについては、前述したとおり、非電化の区間を電車が走れる区間にするために、さまざまな整備が必要である。

そして最も重要な問題は、これらの整備費用を誰が負担するのかということである。この問題については、当事者それぞれの思惑があり、未だに、相互間で調整が行われていない。最終的には、この問題の解決なくして、乗り入れを実現することは不可能である。

このため、相互間でのよリスムーズな調整や、誰もが納得できる解決を期待して、現在想定できる3つのケースを検証しながら、議論の方向性を示していく。

 

ア ケース1 −遠州鉄道が単独で整備する。

乗り入れ方法が、相互乗り入れではなく、遠州鉄道だけが、天竜浜名湖鉄道の線路に乗り入れる一方的乗り入れである。この案によれば遠州鉄道が、乗り入れ利益を独占するとともに、遠州鉄道が言い出したのだから、その全費用は、当事者である遠州鉄道が負担すべきものだとされる。

確かに、この議論は一面において正しい。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION