2. まちの構造と公共交通体系
鉄道乗り入れの実現により、人の流れが変化することが予測されるが、これに合わせてまちの構造や機能も変えていくことが求められる。また、乗り入れは天竜市のみならず、北遠地域の町村にとっても大きな意味を持つものであり、これらも含めて天竜市の果たすべき機能を検討することが求められる。
(1) 天竜市に期待される交通結節点としての役割
ア 北遠広域圏の玄関口としての天竜市
天竜市は、北遠地域の最南端に位置し、南部の平野部との結節点ともなっているため、同地域の玄関口としての役割が高い。したがって、北遠地域の町村にとっても、本市との連絡性が重要であり、鉄道の乗り入れによる環境変化に期待するところが大きい。
本市との連絡性としてまず重要なのは、現在運行されているバス交通の確保である。これについては、鉄道との連携やバス交通全体の体系のなかで、今以上に利便性を高めていくことが求められる。
バス交通に加えて、自動車交通に対する対応も念頭に置くことが必要である。この場合、将来的に整備が予定されている国道152号線バイパスを前提に検討を行うことが必要である。したがって、道路交通網の整備と関連させて、鉄道における玄関口の整備を進めることが求められる。
イ 鉄道交通と道路交通との有機的な結びつき
鉄道利用の促進は、道路交通との結節の利便性に大きく関係すると考えられる。前段では、道路交通と鉄道との結節の1つの手段としてパーク・アンド・ライドを取り上げたが、さらに広い視野で、道路整備等との関連の中で、交通政策全体として鉄道と道路の役割を考えていくことが求められる。
これまでの例では、道路網の整備は公共交通利用者の減少をもたらすことが一般的であったが、双方の結節性を良くすることにより、公共交通利用への流れをつくっていくことが重要である。