ウ 浜松都市圏のいこいの空間としてのまちづくり
観光レクリエーションに対するニーズとして、最も身近な市場が、浜松都市圏である。これらのニーズを最大限に取り込むために、観光施設
などの機能整備やイベントなどの展開が求められる。観光による人の移動は、日常生活以上に公共交通機関を使用する比率が高まるものであり、実数以上に効果的に機能するものと考えられる。
天竜市の観光動向の課題として、夏への一極集中があげられるが、四季それぞれのイベントを展開するなどの工夫を行い、身近な観光ニーズの取り込みに努めることが必要である。
エ 広域的な観光機能を高めるまちづくり
観光レクリエーションに関わるニーズは、近隣だけではなく、広域的にも捉えていくことが求められる。とりわけ、秋野不矩美術館は、全国からの来訪が見られ、広域的な観光の拠点として今後も機能することが期待される。
広域からの観光入込客にとっては、回遊地点の集積とそれぞれの連絡性の良さが大きな問題となる。このなかでも、連絡性の良さは、公共交通網が大きな役割を担う。したがって、市城全体としては、秋野不矩美術館や既に整備されているくんま水車の里、さらに今後整備される予定である温泉施設など様々な観光資源を結び付けることが求められる。
また、回遊ルートを形成するには、市街地に目を向けることも重要である。天竜市街地には、城址、神社仏閣、食文化など多様な観光資源が埋もれている。これらを発掘し、美術館などを中心とした回遊ルートを形成することにより、天竜市の魅力は一層高まるものと考えられる。当然、市街地においても、観光回遊のための公共交通手段の確保が望まれる。