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(2) 高齢者・子ども等の交通弱者に優しいまちづくリ

ア 公共サービスとしての公共交通の確保

近年の高齢社会の進展の中で、高齢者が社会生活を営むための移動手段として、公共交通はますます重要なものになっている。一方で、現在の壮年層の多くが車の免許を取得している環境に鑑み、公共交通に対する将来的なニーズの高まりは見られないとする意見もある。しかし、公共交通サービスの充実により、利便性が高まれば、自家用車から公共交通への転換の発生は十分期待できる。

現在、高齢者における運転免許保有率は27.6%(総務庁「交通安全白書」)に過ぎず、年々保有率が向上しているとはいえ、非保有者が70%以上に及んでいるのが実情である。さらに、高齢者の運転中の事故率が最近10年の間に、4倍以上となっている((財)交通事故総合分析センター「交通統計」)。高齢者のモビリティー確保に果たす公共交通の役割は将来的にも大きい。

また、通学などにおいて、児童・生徒にとって公共交通は不可欠な移動手段である。将来的には少子化の進展が問題視されているが、地域の将来を考える上で、次世代の育成は極めて重要なことである。

天竜市においても、これら世代を中心とした、優しいまちづくりを展開する上で、公共交通の整備を重視することが求められる。

 

イ 交通結節点での乗り換え障壁の低減

公共交通にとって、乗り換えの負担低減は、利用促進にあたっての大きな問題であるが、高齢者等においてはとりわけ重要なものといえる。

天竜市の交通体系を考えるとき、ハードの面では、鉄道駅とバスターミナル、駐輪場間の接続利便性を高めることが必要である。また、ソフトの面でも、鉄道・バスの接続性の確保などの対応を図っていくことが求められる。

 

 

 

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