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第6章 鉄道の乗り入れとまちづくりのあり方

 

天竜市が、今後遠州鉄道の乗り入れを促進していくには、同時に鉄道を中心としたまちづくりのあり方について、検討を行っていく必要がある。現在展開されている、まちづくりの基本的な方向性については、第2章で整理を行ったが、ここでは鉄道とまちとの共存共栄を図る上での付加要件を中心に検討を行う。

 

1. まちづくりに関わる基本的なスタンス

鉄道の乗り入れを有効に機能させるためには、まち自体を公共交通に対応したものとすることが求められる。将来的に、まちづくりを行う際の大きなポイントとなるのは、環境問題、高齢化社会への対応、交流人口の増大等であり、それぞれの局面において鉄道との関わりを検討することが必要である。

 

(1) 環境に優しいまちづくリ

平成10年10月、地球温暖化対策の推進に関する法律が成立した。これは、地球温暖化が地球全体の環境に深刻な影響を及ぼし、人類生存の脅威となっていることに鑑み、温室効果ガスの排出抑制等に関する国、地方公共団体及び事業者の責務を明確にしたものである。今後地方公共団体は、この法律の定めるところにより、国とともに、温室効果ガス、とりわけCO2の排出削減に先導的な役割を果たすことが求められる。

現在CO2の排出削減では民生・運輸部門、特に自動車における対策の強化が焦眉の急となっている。そこで、森林都市宣言を行っている天竜市において、公共交通の利用促進策の展開による環境に優しいまちづくりを行うことは、他の市町村以上に重要な意味を持つものである。

 

ア 公共交通に対する利便性の高いまち

天竜市における今後のまちづくりを行うにあたり、多様な機能を公共交通との連携の中で位置づけていくことが必要である。

 

 

 

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