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3. 中心市街地に関わる問題点・課題

商業の項でも触れたとおり、近年天竜市の商業流出が急激に進んでおり、これに伴い中心市街における商業集積も衰退を続けている。

天竜市の中心商店街であるクローバー通りでは、以前と比べて人通りが少なく、活気が見られない状況となっている。これに対して、市は、商店街の施設整備において、歩道の改修をはじめ積極的に対応してきたところである。しかし、商店街の歯抜け現象が進行し、商店街の街路としての一体性が十分に確保できなくなっている。

商業者の中には、経営改善やイベントの実施などに熱心な者も見られるが、総じて、商店街活動は低調である。実際、ほとんどの商業者は、天竜市周辺地域での大型ショッピングセンターの出店など、商業環境がますます厳しくなる中、対応に苦慮しているのが実態である。

二俣本町駅は、中心市街地に最も近い駅であるが、都市計画道路が未完成になっているため、クローバー通りとの一体性に欠けているのが現状である。また、駅前広場の整備も進んでおらず、車両の出入りが不便な状況である。

天竜二俣駅周辺は、国鉄清算事業団から買い受けた遊休地が多く残されており、これの活用如何で、まちのイメージも大きく変わってくるものと考えられる。それほど、当該地域における開発は重要な意味を持っていると考えられる。

また、周辺地域には市民ホールの建設が決定しており、これらを含む周辺地域について、天竜市の顔としてふさわしいまちづくりが求められている。

 

4. 関連計画推進に関わる問題点・課題

天竜市においては、広域的な計画や特定の地区計画も含めて、様々な計画が立案され、推進されている。 しかし、社会環境が変化する中、計画の展開において課題も多くなっている。

本市における定住促進を念頭に、住宅地開発が阿蔵山及び船明地区において進められているが、社会環境の変化の中、予定よりも進捗が遅れているのが現状である。定住人口の増加は、鉄道などの公共交通利用者の増加をもたらすものと期待され、速やかな整備が求められるところである。

また、住宅地整備は国道バイパス等の道路整備とも一体で行われており、本市及び北部の北遠地域の利便性を高める上でも、推進に注力することが求められている。しかし、一方で、道路網の整備は、鉄道などの公共交通利用者の減少に結びつくとの懸念もあり、道路網及び公共交通網をあわせた総合的な交通政策を確立していく必要性が高まってきている。

 

 

 

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