日本財団 図書館


遠州鉄道の西鹿島駅の乗降客については、平成8年までは緩やかに増加していたものが、平成9年には若千減少している。今後の動向については、明確に見極めはつかないが、現状の人口、産業立地や観光資源等だけでは、厳しい状況であるとみられる。

遠州鉄道の西鹿島駅からの利用者の多くは、終点の新浜松まで乗り通している。これは、浜北市内及び浜松市内北部の各駅でも同様と予測され、極端に新浜松のウエイトが高い構造になっている。

 

(2) バス利用

バスの利用者について、遠州鉄道全体では年々利用者の減少が見られるが、天竜市街への接続となる西鹿島駅での乗降客数を見ると、減少傾向が止まり、横這い状況となっている。

天竜浜名湖線の列車間隔が長いことから、西鹿島駅と天竜市街地の連絡は、鉄道ではなくバスが中心であるが、定時性などの点で問題が大きい。

特に朝のラッシュアワーでは、渋滞が発生し、バスの定時運行に支障を来している状況である。

また、本市の出間部のバス路線については、利用者の減少により路線の維持が困難な状況になっている。生活路線として重要なものについては、本市が運行(遠州鉄道に委託)を行っているが、コスト面など維持管理が次第に厳しくなってきている。

 

(3) 通勤通学流動

通勤・通学による天竜市における人の流動では、通学が入超で、通勤が出超となっており、 トータルではやや出超となっている。

通勤者の多くは、浜北市、浜松市にむかって流れており、浜松都市圏の機能集積が高まるにつれ、この傾向がますます強くなるものと懸念される。通勤者については、流入も比較的多く見られ、これが天竜市の昼間人口を下支えしている面がある。通勤者の維持・拡充のためには、本市における産業立地を進めるなどの積極的な雇用創出策が求められるところである。

通学者については、豊岡村・浜北市などからの流入が多くなっているが、将来的な少子化の中、通学者の維持を図ることが課題である。このためには、既存の高校をいかに魅力ある学校に整備していくかが大きな課題である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION