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ウ 商業

天竜市の商業は衰退が著しい。全国的な動向として、都市部の商業においては、商店数の減少と従業者数と年間販売額の増加という現象が見られるが、本市の場合、これら3項目全てにおいて減少している。

このような状況の背景には、本市の周辺市において大型のショッピングセンターの出店が相次いだことをあげることができる。このため、本市から周辺市に向けての商業流出が著しく、静岡県内の市部としては最も流出率が高い部類に属している。

今後も周辺市への大型のショッピングセンターの出店が予定されており、本市の商業を取り巻く環境はますます厳しくなると予測される。

 

エ 観光

観光客は、平成8年から9年にかけては頭打ちであったものの、全般的には近年伸びてきているといえる。しかし、この伸びは日帰り客の増加により支えられており、宿泊客については増減の波が大きくかつ、ここ10年来停滞気味となっている。観光による経済波及を考える場合、宿泊客の増加を図ることが課題といえる。

季節的に観光入込を見ると、夏期に突出しているのが、天竜市の大きな特色である。これは、日帰り観光客の主要な部分を占める「阿多古川での川遊び」がこの時期に集中するのと、「鹿島の花火」が開催されるためである。季節変動が大きいことは、観光の着実な発展にとってマイナス要因であることが多く、改善を図ることが求められる。このためには、夏期以外に人を集めるイベントなどの仕掛けや通年型の施設整備などを積極的に展開していくことが求められる。

天竜市街地には、神社仏閣、名跡、食文化など多様な地域資源が存在しているが、これが観光資源として充分に活用されていない面が見られる。平成10年4月に秋野不矩美術館がオープンし、市街地への観光客の来訪が増加しており、資源を活用することにより、来訪者を

 

 

 

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