第3章 天竜市の問題点・課題
1. 社会経済状況に関わる問題点・課題
(1) 人口動向
天竜市の人口は、減少傾向で、高齢化が進んでいる。人口の減少に対しては、新しい住宅地の開発や地域の魅力向上策などの定住促進対策を積極的に推進することが必要である。そのために、公共交通の整備を進め、地域の交通利便性の向上を図っていくことが求められる。
また、高齢化率が高まる中で、街づくりもこれに対応しながら展開することが求められる。当然、高齢者は、日常の活動の中で、公共交通に依存する割合が若年層よりも高くなることが予測される。したがって、これからの社会構造の変化に対応する上でも、公共交通体系の整備は重要なものであるということができる。
(2) 産業動向
ア 第1次産業
林業は、天竜市の基幹産業であったが、近年他の国内木材産地と同様、衰退が著しくなっている。林業の衰退は、製材業などの製造業分野にも影響を及ぼし、産業構造の変革を本市にもたらしている。
農業についても同様停滞傾向であり、元来平坦地が少ない本市においては厳しい状況であるといえる。
イ 製造業
林業の表退と関連して、木材木製品製造業の占める割合が次第に低くなっており、反面、輸送用機器製造業等のウエイトが高まっている。輸送用機器については、ヤマハ、ホンダなどが浜松市を拠点として展開しており、これらの影響が広域的にも及び、天竜市の産業構造に変化をもたらしているものと考えられる。
全般的に見ると、1990年代はじめまでは伸びがみられたが、近年は従業者数、製造品出荷額を見ても停滞気味である。