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一方、下水道排水区域の整備率をみると、高崎市が82.7%と高率であり、続いて前橋市が72.6%である。この2都市は他に比べ整備率が高い。他の都市は、藤岡市、安中市、渋川市を除いてほぼ40%〜50%の整備率である。

 

3 中心市街地の状況

(1) 中心市街地の状況

ア 中心市街地の現況

県内の自動車の流れをみてみると、前橋・高崎間の動きが最も多い(平成2年度道路交通センサス)。周辺都市をみてみると、伊勢崎市、渋川市など前橋市に近い都市は前橋市へ、藤岡市、安中市など高崎市に近い都市は高崎市への移動がみられる。前橋・高崎間はパーソントリップ調査によっても人の動きは最も多く、平成2年時の調査では昭和55年に比べ1.6倍になっている。

また、前橋市と高崎市の発生集中量を昭和55年と平成2年とで比較すると、前橋中央で0.8倍、高崎中央で0.87倍となり、都心部の拠点性は低下している。一方、前橋南(1.54倍)、高崎東(1.35倍)、玉村町(2.09倍)、伊勢崎南西(1.73倍)など、中核都市の郊外部は発生集中量が増えており、郊外への人の流れが多くなったことを示している。

 

イ 中心市街地の現況に関する問題意識

前橋市   ●人口・店舗数の減少、郊外への流出などによる賑わいの低下に伴う、中心部の空洞化

高崎市   ●中心部の大型店の撤退や中心商店街の販売額の低下など、消費形態の郊外部へのシフト化

●中心商店街の商業施設の更新の遅れと空き店舗など集積の希薄化

桐生市   ●空き店舗の増加、商業資本の撤退による空洞化

伊勢崎市  ●郊外への中心街からの公共施設の移転や大規模店の立地による空き店舗の増加など空洞化

●「まちの顔」としての存在の希薄化

太田市   ●大型店の閉店、空き店舗の増加による来街者の減少

●住民の郊外転出による中心市街地の居住人口の減少

沼田市   ●生活関連施設や福祉関連施設の郊外での建設や固定資産評価額が高いなど居住環境の悪化に伴う人口の減少

●交通アクセスの悪さ、空き店舗の増加、経営者の高齢化など商業環境の悪化

館林市   ●空き店舗の増加、経営者の高齢化など中心部の空洞化

●現状改善のために負担も辞さないというところまで意識が及んでいないこと

渋川市   ●車社会への対応の遅れ

●消費者ニーズの多様化への適応不足

藤岡市   ●生活インフラの整備の遅れ

 

 

 

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