イ 交通ネットワーク
県内の鉄道交通網は前橋、高崎の両都市を中心に発達している。
JR在来線は東京・大宮方面から高崎線、八王子方面から藤岡市を通る八高線が高崎駅までを結び、さらに高崎駅を起点とし、前橋市(新前橋)、渋川市、沼田市を結び新潟県長岡市方面へ県内を縦断する上越線、安中市から県西南部を軽井沢方面へ向かう信越本線(横川・軽井沢間はバス運行)、また前橋市、伊勢崎市、桐生市を結び栃木県小山市へ抜け、県内においては幹線ともいえる両毛線がある。他には渋川市を起点とし中之条町を通り草津温泉への観光利用も期待される吾妻線がある。
また、上越線、信越本線に沿うように、上越新幹線、長野行き新幹線が走っており、いずれも高崎駅を通り、上越新幹線では水上町に上毛高原駅、長野行き新幹線では安中市に安中榛名駅が設置され、地域交通の拠点となっている。
私鉄は、県南東部を中心に東武鉄道が路線を敷設している。伊勢崎市を起点とし太田市、館林市を通り東京浅草までを結ぶ伊勢崎線を幹線とし、桐生線、小泉線、佐野線などが県南東部を毛細血管のように張り巡らしている。その他、桐生・前橋間を結ぶ上毛電気鉄道、高崎市から富岡市を通り下仁田町までを結ぶ上信鉄道、桐生市から栃木県足尾町を結ぶ第3セクターのわたらせ渓谷鉄道がある。
一方、一般国道は、JR上越線と同じような経路をたどる国道17号、信越本線と併走し国道18号線が、また両毛線と並んで国道50号が県内の大幹線として利用されており、鉄道、国道とも人の流れは同じであるといえる。
また、高速道路網は関越自動車道が県内を縦断し、東京都内とを2時間で結び、関越自動車道に接続する形で上信越自動車道が開通しており、首都圏からの長野、軽井沢方面への観光客などの利用が多くみられる。また、館林市に東北自動車道のインターチェンジが設置されており、東北、新潟、長野から首都圏への幹線の要衝として重要度は高い。
ウ 交通手段
交通手段をみると、圧倒的に自家用車での利用度が高いっ公共交通のシェアは平成7年度には約7%であり、自家用車の利用は約90%に達する。
昭和40年では最もシェアの高かった乗り合いバス(53.3%)が平成7年には約1.5%に下がるなど、需要が激減した。また鉄道利用は以前から利用度は低く、県内交通機能における役割は小さい。
それに対し、自家用車の利用は右肩上がりで増え続け、平成に入る頃には約90%に達し、ほぼ飽和状態である。これは全国平均の59.9%と比較しても高く、自家用車の利用度の高さが伺われる。
エ 生活環境
住区基幹公園の1人あたりの面積は、伊勢崎市が3.67m2と最も多く、次いで前橋市(2.76m2)、太田市(2.54m2)と続く。都市機能からみると、中核都市の高崎市は1.53m2と第4位であるが、中心都市の桐生市は0.49m2と少ない。