オ 課題に対する共通認識を得る
課題を分野別にみると、生活の場、産業活動の場、交流の場としてみた場合の課題がそれぞれ把握できる。それぞれの課題は以下に示すとおりであるが、併せて、図表2-11に示す具体の整理例を参考にされたい。
<生活の場としての整備>
○コミュニティのある中心市街地へ
・中心部での積極的な住宅供給方策(民間の誘導、公営住宅等)
・テーマを持った生活環境整備によるアメニティの創出(花、緑等)
○高齢化への対応
・生活支援システムの向上(宅配サービス、商店街サービス等)
・ユニバーサル空間の整備(公共施設、道路、商店街など)
<産業拠点としての整備、活性化方策>
○まちづくりとの連携による商業の活性化
・商業だけの頑張りでの限界
かつての街なかへの人口集中や後背地農業地区の需要に支えられた商業の存立基盤は減退し、安い地価と車利用への対応を武器に郊外商業集積が進出している現在、中心部の商業が商業としてだけで頑張るには限界があり、まちづくりと一体となった積み重ねが必要となる。
・都市基盤整備の必要性
とくに、交通条件の向上や、魅力ある街並みの形成、商業を中心とした新たな産業の受け皿を供給するためには、計画的な都市基盤の整備、再整備が重要な課題となる。一般的には中心部へのアクセス道路や商店街を迂回させるバイパスの整備が求められるとともに、中心部の歩行者ネットワークや安全で快適な地域生活の実現に向け、面的整備事業を含む、都市基盤の整備が検討課題である。
○中心市街地商業機能の魅力づくり
・個店の創意工夫、がんばり
・商店街のまとまりと一体的な活動
・情報化への対応
・郊外部の観光、商業拠点との連携
○新たな都市型産業の創出
・情報関連等ハイテク産業
・生活関連サービス産業
<交流の場、まちの顔としての整備>
○中心市街地のストックを活かした活性化
・中心市街地には長い時間の中で都市に蓄積された豊富な歴史・文化・環境の資源をいかした活性化方向
・らしさの創出
・余暇化への対応
○公共・公益施設の充実による活性化の方向
・中心市街地にある、市役所や文化センターをはじめ、学校施設や総合病院などの中心的な公共・公益施設の活用。
・将来重要に対応した施設の整備と有効利用の促進
・中心性の保持と強化
○交通環境の整備
・中心部へのアクセス強化
・中心部での回遊性、滞留性の強化
・駐車場の確保