(イ) 中心市街地再生の意義
中心市街地の再生は、<だれもが一生を、安心して便利に快適に楽しく暮らせる生活空間>として中心市街地の価値を見直すとともに、その再生により、結果として<商業など地域産業の活性化>や<コンパクトな都市の実現>を目指すものである。
したがって、中心市街地の活性化は都市の再構築を第一義としたものであり、商業振興はその1つの手段であり、また、全体の結果として実現するものでもある。また、長期的、意識的な努力が傾けられてはじめて実現の方向に向かうものであり、本計画はその策定のプロセスを含めて、その端緒となることが期待される。
それらをふまえて、中心市街地再生の意義は以下の3点に示される。
○新しい時代に対応した都市基盤の整備
これまで中心市街地に不足していた道路や公園などの都市施設を整備し、災害に強く生活しやすい生活環境を整備し、地域のニーズにあった住宅を供給することにより、高齢者に優しいまちづくり、環境負荷の小さな都市づくりを実現していくところに基本的意義がある。
○新しい時代に対応した都市機能の整備
衰退している中心商業の活性化をはじめ、将来の都市産業を担う新たな産業活動の支援方策を通じ、市民や事業者へのまとまったサービスの提供や、新たな経済活動への集積メリットと新規事業の苗床の役割を実現していくところに基本的意義がある。
○新しい時代に対応した都市づくりの進め方
中心市街地の活性化は、地元の市民や商業者、行政などが力を合わせ、それぞれの役割に沿って積極的に都市づくりを進めることにより、はじめてその効果が期待されるものである。その継続的な努力の積み重ねにより、新しい都市づくりの意識が醸成され、仕組みができていくことに基本的な意義がある。