ウ 市民のニーズ、意向をとらえる
市民のニーズ、意向の把握は、市民参加のまちづくり、地元主体の活性化を進めるうえで重要であり、その方法としては以下に示すようなものがある。
○アンケート調査による把握
市民や商業者などを対象に意識、意向を把握し、比較検討する。
○グループインタビュー調査による把握
若い世代や女性の意見などを含む幅広い層から、意見を把握する。
また、調査により把握すべき内容として以下のような項目がある。
・買い物について:買い物場所(中心商店街、中心大型店、郊外大型店など)とその店を選んだ理由
・中心市街地について:利用目的、交通手段、利用頻度、イメージ、不足していると思うもの、必要だと思うもの
・居住環境について(とくに中心市街地居住者):居住意向、満足度、不満度
エ 再生の必要性を明らかにする
(ア) 中心市街地再生の必要性
中心市街地再生の必要性は、以下の4点からとりまとめることができる。
○都市<交流>拠点の形成
長い歴史の中で地域の文化・伝統を育んできた、まちの顔とも言うべき地域であり、祭り・イベント、交流などのためのハレの場としての性格を有しているだけに活性化の必要性が高い。
〇都市社会(コミュニティ)の保持、育成
中心市街地は、従来は、複合的なサービス業務集積を有し、まとまったサービスを提供できる地域であった。空洞化によってこの地域に滞留している弱者としての高齢者の生活基盤が崩壊することを避けるためにも活性化が必要である。中心市街地が単に高齢化し、停滞した地域のイメージが形成されるばかりでなく、スラム化する形で居住環境がより一層悪化し、再生が困難になることが懸念される。将来起こるかもしれないこの様な問題地域の発生を避けるためにも活性化が必要であろう。
○都市産業の活性化
広い後背圏を有することから多くの人々に対するサービスエリアとして、過去において重点的な資本投下が行われてきた地域である。既存投資の有効活用という点から地域活性化の向けての核として位置づける必要性がある。
経済機能が集中的に立地する事によって、交流人口を吸引する場としての役害を果たすなど、新規の事業を生み出す苗床の機能を有することに着目して活性化を図る必要がある。
○都市構造の再編成
都市化という右肩上がりの社会背景は終焉を迎え、今後はコンパクトな街づくりに向かうという環境変化に対処するためにも活性化が必要である。
中心市街地が独自に抱える、都市内交通問題や省エネルギー化による地球環境問題等へ対処する実験の場としての役割を果たす必要がある。