ロシア連邦における自治体勤務の原則に関する連邦法律
(1998年1月8日公布)
この連邦法律は、ロシア連邦における自治体勤務の組織の一般原則及び自治体職員の法的地位の原則について定めるものである。
第1章 総則
第1条 [自治体の職務]
1] 自治体職務は、ロシア連邦の構成主体[以下、単に構成主体とする-訳者]の法律にしたがい、自治体の憲章によって定められ、地方的意義を有する諸問題の解決に所定の権限とその権限の行使に対する責任を負う職務であり、かつ自治体の憲章にしたがって組織され、所定の範囲内で当該地方自治機関の権限の執行及び保障並びにその義務の遂行に対する責任を負う地方自治機関における職務である。
2] 自治体職務は、次のように区分される。
・ 自治体の選挙によって交代する自治体の職務(議員、地方自治体の選挙制の機関の構成員、地方自治体の選挙制の役職者)、または自治体の選挙の結果これらの機関に選挙される人物で地方自治体の代表機関またはその他の選挙制の機関の決定にもとづいて交代する選挙制の自治体職務
・労働契約の締結によって雇用されるその他の自治体職務
第2条 [自治体勤務]
1] 自治体勤務は、選挙によらない自治体職務を日常的に遂行する専門的活動である。
2] 本法は、議員、地方自治体の選挙制の機関の構成員、地方自治体の選挙制の役職者の地位について、これを定めるものではない。
第3条 [自治体勤務への平等な就職に対するロシア連邦市民の権利]
ロシア連邦市民は、性、人種、民族的帰属、言語、出自、財産及び職務上の地位、居住地、宗教に対する態度、心情、社会団体への帰属の別なく、自治体職務に就く平等の機会を有する。
第4条 [自治体勤務の立法原則]
1] ロシア連邦における自治体職務は、ロシア連邦憲法、ロシア連邦の地方自治の組織の一般原則に関する連邦法律、本法、その他の連邦法律、構成主体の憲法、憲章及び法律にしたがって、これを遂行する。
2] 自治体職務の問題の立法上の規制は、ロシア連邦憲法、ロシア連邦の地方自治の組織の一般原則に関する連邦法律、本法、その他の連邦法律にしたがい、構成主体がこれを行なう。
3] 自治体職員には、本法が定める範囲内において、ロシア連邦の労働法の効力が及ぶ。
第5条 [自治体勤務の基本原則]
自治体職務は、次の原則にもとづいてこれを遂行する。
1)自治体職員の職務上の義務の執行及び権利の保障にあたって、ロシア連邦憲法、連邦法律及び構成主体の法律のその他の規範的法令、通達に対する優先
2)人と市民の権利及び自由の優先、その直接的効力
3)権限の範囲内における地方自治機関の独立
4)自治体職員の専門性と管轄
5)職務上の義務の不履行または不適切な履行に対する自治体職員の責任
6)市民がその能力及び専門教育にしたがって自治体職務に就く機会の平等
7)ロシア連邦における自治体勤務に対する共通の基本的要請と歴史的伝統その他の地方的伝統の考慮
8)自治体職員の法的及び社会的保護
9)自治体職員の政党所属の禁止
第6条 [自治体勤務の財政活動]
1] 自治体職務の財政活動は、地方予算の資金によってこれを行なう。
2] 自治体の自治体職務に対する最低必要経費は、最低地方予算の決定の際に、連邦国家権力機関、構成主体の国家権力機関がこれを計算する。
第2章 自治体職員の地位に関する原則
第7条 [自治体職員]
1] 自治体職員とは、連邦法律及び構成主体の法律にしたがって自治体の憲章が定める手続により、地方予算による現金報酬を受けて自治体勤務の職務上の義務を執行するロシア連邦市民をいう。
2] 自治体勤務の職務に関係をもたないか、または地方自治機関の活動の技術的保障に関する義務を履行する者は、自治体職員ではない。
第8条 [自治体勤務の職務の区分]