第72条(1)首長の任期は4年であり、新たに選出された首長が宣誓するまでとされる。首長の任期は、戦争や災害の場合には、組織法を通じて延長できる。
(2)死亡、辞任、兼職の禁止、他の自治体への住居の変更、6か月以上任務の履行が不可能な場合、選挙の正当性が承認された後に選挙違反が判明した場合、裁判所の判決を通じて自由剥奪の刑が確定した場合、公民権停止の判決が下された場合、選挙権を喪失した場合には、任期は停止される。
(3)さらに、首長の任期は、法律を通じて付与された権限の行使において発令した法的性格を有する命令が、行政訴訟裁判所において3か月の間に3度続けて無効判決を受けた場合にも、停止される。
(4)(2)、(3)、(4)項に規定された場合、知事は命令を通じて、首長及び副首長の任期を停止するための手続きをとる。
(5)首長選挙の日は、30日以内に、知事の提案に基づいて、政府が確定する。
第73条(1)首長の任期は、その他にも、法の諸条件に則って組織された地方住民投票の結果、任期以前に停止される。
(2)首長の任期を停止するための住民投票は、コミューンないし町の住民が、首長が地方共同体の一般的利益の配慮を怠った、あるいは法に則って付与された権限を行使しなかったと判断して、知事に嘆願書を提出する結果、組織される。
(3)嘆願書には、その基本的動機と住民投票を要請する市民の氏名、誕生日と誕生地、身分証明証番号、署名が記載されていなければならない。
(4)住民投票の組織は、選挙人住民の25%以上の要請が必要であり、しかもこの数値は、コミューンないし町を構成するすべての地域で確保されねばならない。
第74条(1)知事は、嘆願書を受理した後30日以内に、そこに記された根本的動機、73条に規定された諸条件の履行、署名の真実性を審査する手続きをとる。
(2)審査の後、知事は地方公共行政局を通じて政府に、住民投票の組織に関して、理由付けがなされた提案を行う。
(3)知事の提案と地方公共行政局の専門的な報告書を基に、政府は知事の要請を受け取ってから60日以内に、決定を通じて、通告する。政府決定は、住民投票日を確定し、知事の配慮の下に、コミューンないし町の住民に通達される。
(4)住民投票に必要な費用は地方予算によって賄われる。
第75条(1)住民投票は、法律の諸条件において、知事の配慮と、書記及び地方公共行政機関の専門機関の支援を得て、組織される。
(2)この場合、住民投票のためのキャンペーンに関する法律が規定する手続きは、もはや適用されない。
第76条(1)住民投票は選挙人住民の過半数の投票によって成立する。
(2)選挙人住民の過半数が賛成票を投じた場合、首長の任期は任期以前に停止される。
(3)(2)に規定される状況においては、第72条(5)項の規定が、適切に適用される。
第77条(1)機能の行使において、首長は法によって保護される。
(2)首長が刑事事件を起こしたかどで裁判所に提訴されるか、あるいは刑事裁判の審理が開始され、もし彼に対して予防逮捕の措置がとられた場合、知事は命令を通じて、知事の任務の停止措置を執る。
(3)任務の停止命令は、即座に、首長に知らせねばならない。
(4)任務の停止は、最終的解決が見られるまで継続する。
(5)任務停止を受けた首長が、もし無罪であることが分かった場合、同首長は法律の条件において、賠償請求権を有する。
第4章 書記、地方公共サーヴィス及び専門機関
第1節 書記(83条〜86条、省略)
第2節 コミューンと町の公共サーヴィス及び地方公共行政機関の専門機関(87条〜91条、省略)
第5章 ブカレスト市の公共行政
(省略)
第92条 ブカレスト市は、区と呼ばれる6つの下位の領域的行政区に組織される。
第93条(1)ブカレスト市の区は、各々区長と副区長を有し、ブカレスト市は総市長と2名の副市長を有する。
(2)ブカレスト市の総市長選挙の正当性は、本法の条件において、ブカレスト裁判所長によって行われる。
第94条 ブカレスト市の地方自治を実現する公共行政機関は、審議機関としてのブカレスト総市議会と区の地方議会、及び行政機関としてのブカレスト総市長及び区長である。これら諸機関は地方選挙法の条件において、選出される。