第27条(1)知事は、地方議会ないし県議会が採択した諸決定、及び首長や県議会議長が出した命令を、全部あるいは部分的に、行政裁判所に対して訴えることができる。訴追された命令ないし諸規定は、停止される。
(2)行政裁判において、知事が命令に対する訴訟を乱用したとの判決がなされた場合、知事は、地方行政機関ないし県の要請にしたがって、法律に基づいて、行政上、私法ないし刑法上の責任を負う。
第2章 地方議会
第1節 地方議会の設置
第28条 地方議会は、地方選挙法が定める条件において、普通、平等、直接、秘密、自由意志による選挙を通じて選出された議員によって構成される。
第29条(1)各々の地方議会の定員は、国家統計委員会報告による同年度の1月1日ないし選挙日に近い7月1日の、コミューンないし町の人口に即して、知事の命令を通じて確定されるが、その際の基準は以下の如くである。
(2)ブカレスト市議会は、35名の議員によって構成される。
第30条(1)議員の資格は以下のポストと兼職できない。
a)知事及び副知事
b)地方行政機関の専門機関における公務員
県議会、知事、地方ないし県の利益に関わる公共サーヴィス、省庁及びその他の中央公共行政機関の出先機関による公共サーヴィス、各々の専門機関の中の公務員
c)公団の行政評議会のマネージャーないし委員、あるいは地方議会ないし県議会によって設立された株式会社の指導的ポスト
d)首長
e)上院、下院議員、大臣、次官、局長のポスト
(2)兼職禁止は、選挙の法的有効性が確認された後に初めて問題とされ、その場合10日以内にどちらかを選択しなければならない。もし地方議会議員を選ばなかった場合には、議長は、政党、政治連合ないし選挙連合リストの中から補欠者を選び、同補欠者の選挙の有効性に関して審査を行う。
(3)夫婦、尊属、卑属、兄弟、姉妹は、同じ地方議会に所属することはできない。
(4)その他の兼職禁止は、法律を通してのみ、確立できる。
第31条(1)地方議会の構成は、選挙の実施から20日以内に行われる。選出された議員の構成議会への召集は、知事が行う。構成議会へは、たとえ選出の正統性に関する手続きが終了していなくとも、知事ないしその代理、及び首長は出席できる。
(2)議員の3分の2以上が参加すれば、構成議会の合法性が成立する。もしこの要件が満たされないのであれば、知事による再度の召集にもとづいて、3日後に、同じ条件で開催される。もし第2回目の召集においても合法的に議会が開催できないときは、知事は新たな召集を3日後に行う。その際、選出された議員の過半数の出席が確保されるのであれば、会議は合法的に構成されたと見なされる。
(3)地方議会が、この最後の召集においても、議員の根拠なき欠席によって成立せず、しかもそれら3回の召集に理由なく欠席した議員ポストを選挙リストの中から補欠候補によって埋めることができないのであれば、知事は命令を通じてそれらの議席が空席であることを宣言し、30日以内に、地方選挙法の条件に基づいて、新たな選挙を組織する。
(4)理由なく欠席した議員ポストの空席を宣言する知事の命令に関して、それが発令されてから5日以内に、その不当性を行政裁判所に訴えることができる。裁判所の決定は最終的であり、覆すことはできない。
(5)構成議会への議員の欠席が、入院を必要とする程の病気によるものであるか、業務による海外出張によるものであるか、あるいは不可抗力によるものであったことが証明されれば、その欠席には正当な理由があったと見なされる。