(注)税率の「―」は徴税主体が決定する。企業利潤税は納税者がカッコ内の割合で連邦財政と構成主体財政に分納する。出所:サハリン州行政府経済委員会
4 政府間財政関係
1992年以降のロシア連邦と構成主体・地方自治体の財政関係の原則については第1節で言及した。基本的には、構成主体・地方自治体には「最小予算」を下回らない規模で予算を編成する義務があり、連邦予算は、独自財源によっては「最小予算」を編成できない構成主体に対し、歳入の欠損を補填する義務を負う。同じように構成主体は、地方自治体に対して同様の義務を負っている。財政における連邦と構成主体の関係(ロシアではこの関係を「財政連邦主義」と呼ぶことが多い)は、上記の原則に則り、以下の3つの「基礎」の上に構築されることになっている。
(1) 税収をはじめとする財源における政府間関係
税制度の節でごく簡単に触れたが、税制基本法では税種毎に、その税収がどの財政に帰属するかが定められているにもかかわらず、実際には、ほとんどの連邦税については、表4に示したとおり、連邦財政と構成主体財政に配分されている。なお、あらゆる税種について、徴税は連邦政府機関である「国家出納庁」の地方出先機関によって行われている。異なる財政主体に税収が配分される税種については、配分比が図表6-4のように定められているが、問題点が2つ指摘できる。