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他方、歳出構造については、歳入構造ほどデータの源泉による大きな差異は生じていない。サハリン州については、1997年予算の決算がまだ州議会に提出されていないこと、1996年度には予算の編成や執行が大統領選挙など政治的な要因によって大きく左右されたことなどから、やや古いデータだが1995年予算について主要な歳出構造を下の図表6-3に示す。

 

図表6-3 1995年サハリン州予算歳出構造

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主要な歳出項目のうち「国民経済費」のほとんどは、「住宅・公共サービス部門」と呼ばれる公営住宅の維持、集合住宅に対する上下水道、電力、暖房・温水などの供給に要するコストのうち、受益者負担分を除く部分の補填のために支出されていいる。1995年当時は、こうしたサービスの供給に要するコストのうち受益者の負担割合は10%程度であり、1998年年央でも30%程度である。

 

3 税制度

 

すでに触れたとおり、「税制基本法」や個別の税種毎の連邦法での規定と、各年度毎のロシア連邦予算法での運用の間には大きな差異が生じている。主要な税種について、現在の運用を表にまとめると以下の通りである(図表6-4)。

図表6-1及び図表6-2から明らかなように、直接税である企業利潤税や個人所得税の税収が歳入に占める割合は構成主体によって異なる。いうまでもなく、域内の経済活動や住民の所得の水準によって税収が左右されるからである。これに対して、間接税である付加価値税の収入が歳入に占める割合は、89構成主体の平均とサハリン州の間にそれほど大きな差異が存在しない。

 

 

 

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