基礎自治体の議会の政治色はさまざまだが、多くの場合、基礎自治体の行政機関が置かれているその地域の中心地の出身の議員が議会の多数を占める。もちろん、隣接構成区の出身者で行政機関所在地に現在は住んでいるという場合もあろう。また、同じ構成区の出身でも帰属する政治組織で特定の問題に対する姿勢が違う場合もあろう。しかし、実際に署名活動の先頭に立ち基礎自治体創設(正確にはかつて基礎自治体だったこともある構成区なので復旧ということになろうか)のために奔走した構成区長の話では、独立した予算をもたないことには基礎自治体内の行政機関所在地以外の地区はインフラ整備も環境整備も行えない状況ということである。
独立した予算をもつ、つまり、基礎自治体の資格を得ることこそ、基礎自治体の行政機関所在地以外の構成区にとって、経済的社会的困難から脱出する近道ということである。実際、1991年の制度改革以降今日に至るまで、基礎自治体を創設しようと署名活動を行ったケースは200件を越すと、現首相のコストフが国民議会で語ったそうだが、全国255基礎自治体で1件は基礎自治体の分離、創設の動きがある勘定になる。
(5) 区(ライオン)
区は首都ソフィアと人口30万人以上の都市プロヴディフ、ヴァルナのそれぞれの基礎自治体を構成する行政・地域単位である。地方自治・地方行政法によれば区長は住民の直接選挙によって選出され、また、区議会も住民の直接選挙により選ばれる。いずれも、任期は4年である。
区議会の議員定数は以下のとおりである。